高城 泰氏
昨年の仮想通貨バブルで多数の億り人が誕生したが、1月以降の低迷相場で仮想通貨トレーダーも意気消沈。今なお生き残っている投資家は、いかにして稼いでいるのか? リーマン・ショックなど数々の金融危機を乗り越えてきた為替トレーダーや、仮想通貨と為替を操る二刀流トレーダーも交え、最強投資家たちが大激突! 今回は仮想通貨&FXライターの高城泰氏に仮想通貨とFX、どこに注目すべきかを聞いた。
仮想通貨と比較して、歴史の古いFX。その最大の特徴は、とてつもない取引量にある。1日の取引量は実に500兆円にも達するのだ。
「Co inmar ketcap 」を参照する限り、直近の1日あたりの仮想通貨全体の取引量は1兆~3兆円程度だから、FXは優にその100倍を超える。桁外れに参加者が多いマーケットとも言えるだろう。
昨年CBOE(シカゴ・オプション取引所)がビットコイン先物を上場させたことをきっかけに仮想通貨市場に参入する機関投資家が増えたが、FXはそれ以前から機関投資家やヘッジファンドなどプロたちの巣窟。一見すると個人投資家には勝ち目がなさそうだが、とてつもない流動性が確保されているため、主要なテクニカル分析がハマりやすかったりもするのだ。
圧倒的に仮想通貨よりも取引コストが安い点も特徴だ。国内ではレバレッジを引き下げる動きも見られたが、業界の反発もあって25倍のレバレッジを維持できそうなので、まだまだ大きなリターンを得られるチャンスは大きいといえるだろう。
「仮想通貨元年」と呼ばれた昨年、目立ったのはガチホ勢の稼ぎぶりだったが、今年は「仮想通貨FX元年」となるのかも。SNSを見ているとガチホ勢のツイートが減少する一方、鼻息が荒いのはビットコインのデイトレやスキャルピングで稼ぐトレーダーだ。
トレードであれば下落相場でも売りで入ることで稼ぎやすいのはもちろんだが、取引環境の向上も背景にありそうだ。トレーダーに愛用されているのはビットフライヤーと海外のBitnMEX。約定の遅延が目立ったビットフライヤーのサーバーも最近では落ち着いてきた。また「SFD」の導入後は以前のように現物価格から20%も乖離するような事態も起きていない。暴力的なボラティリティが落ち着き、2月以降はほどほどの値動きが続いていることもトレーダーたちの好パフォーマンスに繋がっていそうだ。
一方で懸念もある。市場参加者の増加とともに、高額な値段で無内容なレポートを販売する輩が増えている。何も高額な値段を支払わなくともツイッターなどのSNSやブログで優良な情報は得られる。購入は慎重に!
【高城泰氏】
仮想通貨&FXライター。2014年のマウント・ゴックス社の破綻前から仮想通貨の取材に着手。著書に「
ヤバいお金」「
FXらくらくトレード新入門」がある。ツイッター
@takagifx
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