韓国で声をあげた幼きフェミニストへの壮絶いじめに対し、SNSで広がる共闘の輪

安達夕
kor

韓国で「青少年フェミが受けた学校内暴力」を告発するアカウントが発足

 ソウル市女性家族財団が性平等週間(7月1~7日)に合わせて、5月30日から6月11日まで行われた「ソウル市性平等言語辞典」キャンペーンには様々な意見が寄せられた。

 市民らが提案した608件のうち一番多い100件の内容は、「女医」などの職業名に付く「女」を取ってくれというものだった。日本語では聞きなれないが韓国では今でも、「女職員」、「女教授」、「女秘書」、「女警」などという言葉を使う。

 また女子高等学校にだけ付く、「女子」も取ってくれという意見も選定された。実際に国立国語院の標準国語大辞典には「女子高等学校」は載っているが「男子高等学校」はない。

 市民たちが2つ目に多く指摘したのが、「処女作」など、何かを初めてするという意味で単語の前に付く「処女」であったり、乳児と母という単語が入った「乳母車」も母親しか使えないイメージを与えるので、乳児中心の表現「乳児車」に変えようという提案も出されたりした。

 その他にも、人口問題の責任があたかも女性にあるような印象を与える「低出産」という言葉も「低出生」に、「未婚」は「非婚」に、「子宮」は「胞宮」に、加害者中心の「リベンジポルノ」という言葉も「デジタル性犯罪」に変えようという意見も性平等言語辞典に反映された。

 ソウル市女性家族財団のカン・ギョンヒ代表は「習慣的に、または替わりになる言葉がなくて性差別的な言葉を使うことが多い」とし、「単語一つが考えを変え、考えが変われば行動も変えられる」と語った。

たかが「言葉」であるが、時にその「言葉」は人を傷つける

「お昼休みに教室に行こうとしたら後ろから足蹴りが飛んできた。後ろを振り向くと、隣のクラスの男子が逃げる姿が見えた」。

 先月13日、韓国のある男女共学の中学校に通うイ・ユニャンさん(15歳・仮名)が、同じ学校の男子学生に暴力を振るわれた。

 男子学生の足蹴りにより、イさんの白い制服には黒い足跡がついた。普段関わり合いもないこの男子学生が、イさんを突然罵り、イさんが「文句ある?」と言い返した直後に起こった出来事である。

 この2か月間、暴力によってイさんの日常は散々なものだった。イさんは学校や教師に「全男子学生のいじめのターゲットになっている」と訴えたが、反対に、イさんに責任があるとされ、イさんに対する校内暴力は、全学校から見て見ぬふりをされている。

 男子生徒がイさんに使ったのは、「メガル」という罵り言葉だった。

「メガル」とは韓国のフェミニズム関連ウェブサイト「メガリア」の略語。一部ではミサンドリー(男性嫌悪)サイトだと認識されている。

 男子学生の暴力が始まったのは、5月、イさんが学校の掲示板に、「ボイル」という、女性蔑視の表現を学校で使うなという貼り紙をしてからだった。

 イさん曰く、男子学生から教師たちまで日常的に使う「ボイル」という言葉は、女性器を卑下した言葉に「ハイル」(Hi! Helloの略語で韓国の流行語)を合わせた造語で、女性蔑視表現なので、もう使わないでほしいという内容。

 この貼り紙はすぐに剥がされ、イさんに対する言葉の暴力と身体的な暴力による集団的ないじめが始まった。

 先生の許可もなく貼り紙をしたとして教員室で怒られた後、8人の男子学生に囲まれ1分余り「ボイル」と言われ続けた。その後、校庭を通る度に名前も知らない男子学生から「メガル」などと罵られ肩や背中を殴られる事は日常になった。

 担任や学生担当の教員に助けを求めたが「先に君があんなのを貼って男子を挑発したのだから」と言われた。イさんに暴力を振るった男子学生で処罰を受けたものは誰もいない。

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学校は解決してくれずツイッターで全世界に悲痛な訴え

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