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受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案が7月12日に参院厚生労働委員会で与党などの賛成多数で可決され、今国会で成立する見通しとなるなど、喫煙やタバコが何かと悪しざまに言われることを目にすることが増えた昨今。
しかし、本当にそんなに受動喫煙だけが悪いのでしょうか? 実は近年では、そんな「受動喫煙よりも体に悪いのでは?」と言われるものが見つかり始めています。ぱっと見はそこまで害が大きくはなさそうなのに、実は意外なほど体へのダメージが大きい行為がわかってきたのです。さっそく見ていきましょう。
ここ数年、
「座りっぱなし」が寿命を縮めるというデータが増えてきました。
例えば、2016年にサンパウロ大学が約60万人分の健康データ分析した研究では、1日の座り時間と死亡率の人口寄与割合をチェックしました。簡単に言えば、「もし全員が立って暮らしたら死亡率はどれぐらい下がるか?」を分析したわけです(※1)。
その結果わかったは、以下の事実でした。
・全死亡率の3.8%は「座りすぎ」に関連している
・1日に3時間以上座ると「座りすぎ」とみなされる
・座りすぎに運動不足が重なると、全死亡率との関連は14%になる
つまり、1日3時間を超えて座り続けている人は、それだけで早期死亡率が上がるというわけです。日々の仕事で3時間を超えて座っている人などざらではないでしょうか?
このようなデータを受けて、一部の医学者などから、座りすぎの健康被害についてのレビュー論文まで発表されたほどです(※2)。まだそこまで多くの科学的なコンセンサスはありませんが、座りすぎによる運動不足が体に悪いのは確実でしょう。
この問題を防ぐには、とりあえずイスに座っている時間をいつもより2時間だけ減らすように努力してください。それだけでも総死亡率は格段に下がっていきます。
ジャンクフードもまた、ここ十数年で厳しい目が向けられるようになりました。フライドポテトやハンバーガーが体にいいと思っている人はいないでしょうが、そのダメージは想像を上回ります。
2016年にグローバルパネル(※3)が出したレポートでは、250の論文からデータを引用した上で、「世界の人の死亡率を高めている物事」のランキングを作っています。簡単にトップ10をご紹介しましょう。
1位 ジャンクフード
2位 高血圧
3位 子供の栄養不足
4位 タバコ
5位 大気汚染
6位 肥満
7位 アルコール/ドラッグ
8位 高血糖
9位 衛生の悪化
10位 性感染症
なんと、ジャンクフードがトップに輝いています。その原因はまだはっきりしないものの、ジャンクフードによる栄養の偏りとカロリー過多が大きな原因だと考えられています。こちらも要注意です。