2014年は赤字になるも、2015年は600万円を超える黒字に
6年間の取引実績
この6年間の、私の実績を見ておきましょう。本格的に取引を始め、記録を取りだしたのが2012年初めからです。2017年までの6年間の投入資金は約2000万円です。利益はすべて税込みです。
年間損益を見てみると、2014年は赤字になりましたが、2015年は600万円を超える黒字を出しました。6年間の年間平均利益は、約231万2000円です。何とか投入資金の1割強の利益が確保できたのです。この間、元金の目減りはありませんでした。
実は、企業の業績によって大きく変動する「配当金」も利益を生み出しています。配当金(税込み)は、保有している現物株から得られたものです。配当金には、年度末の3月期決算配当と9月の中間配当があります。
私の場合、配当金が最も少なかった年が2014年。最も多かった年が2016年で75万円を上回りました。6年間の平均配当金は約62万5000円と、かなりの金額になっています。年間利益と配当金を加えた金額が、その年の最終的な利益になります。
2017年の最終利益は426万2471円でした。これは投資額の約21%に当たります。目標(1割程度の利益)の2倍となり、大成功でした。2017年前半は低調でしたが、後半の10~12月の取引利益が大きく貢献しました。月間に換算すると、通常の取引による利益が月約29万5000円、配当金を含めると35万5000円の利益になりました。
年間平均配当金が60万円以上になっているのは、優良株で配当金の高い銘柄、たとえばりそなホールディングスを含めたメガバンク、損保、商社、製薬、トヨタなどの自動車などを意識的に選んで購入している結果だと思います。
現物株の場合は、信用取引と違って6か月の制約がありません。株価が購入価格を下回っていてもあせらず、「待てば海路の日和あり」で気長に待っていれば、購入価格を上回る時が来ます。それまでは焦らず、配当金を楽しみにしていればよいわけです。預貯金金利が実質的にゼロに近い状態では、現物株の配当金は大きな魅力です。
現物株の配当金も大きな魅力
年間黒字が少なかった翌年は黒字が拡大し、その翌年は減少する傾向が読み取れます。なぜこのような現象が起こるのかですが、突き詰めていえば、人間の「欲」に起因しているように思います。
たとえば、2013年は372万円の黒字を達成しました。この年は利益確定できる銘柄が多く、手持ちの信用銘柄をほとんど売却してしまいました。手元に信用銘柄がなくなるとなんとなく手持ち無沙汰に陥ります。株価は来年に向け騰勢を維持するような錯覚に陥ってしまいます。
11月後半から12月、さらに翌年1月にかけて、メガバンクや製薬株など上昇すると見込んだ銘柄が少し下落すると「押し目買いのチャンス」と判断して購入します。年が明けても、株価は下落、その都度「押し目買いのチャンス」と判断し買い続けた結果、信用取引が大きく膨らんでしまいました。
6か月過ぎても株価は大きく下落したままで結局損切りに追い込まれました。当時の記録を見ると、損切り額は2014年5月が90万4000円、6月が61万3000円、7月が74万2000円。この3か月だけで、約226万円の赤字を出してしまいました。年半ばでこれだけ赤字を出すと、秋以降頑張っても収益の改善は難しく、2014年は年間で32万7000円の赤字になってしまいました。
後で振り返ってみると、押し目買いの安値と判断した株価が、実際には高値買いだったことが分かります。判断を狂わせたのは、前年に儲かった経験に引きずられ、来年はもっと稼げると勘違いし、手持ちの信用銘柄を増やし過ぎたためで、もっと儲けてやろうという「欲」が、無謀な高値買いを誘発したのだろうと自己分析しています。
この反省から、2015年は6年間で最大の利益を出しましたが、2016年は再びわずかな黒字に止まりました。「2014年の悲劇」は頭の中にインプットされているはずでしたが、やはり11~12月に利益確定で手持ちの信用銘柄が極端に不足したため、それを補うため、高値買いをしてしまったのです。
その結果、2016年5月の損切りで109万3000円の赤字、6月は56万9000円の赤字を出してしまいました。同じ間違いを続けた愚かしさに、我ながら愛想が尽きます。