地球環境を破壊する「無責任銀行ジャパン大賞2018」に三菱UFJ! みずほ・三井住友も温暖化や森林破壊を加速

三菱

三菱UFJファイナンシャルグループの株主総会での、環境NGOメンバーらによるパフォーマンス

 国際環境NGO「350.org Japan」は、温暖化を悪化させる地球環境に無責任な銀行「無責任銀行ジャパン大賞2018」として、三菱UFJフィナンシャルグループを選んだ。化石燃料への融資の多さがその選考理由となった。メガバンク他行では、みずほ銀行が石炭火力への融資の多さ、三井住友銀行は東南アジアでの森林破壊への関与が、グリーンピース・ジャパンやレインフォレスト・アクション・ネットワークなどの環境NGOから指摘された。

温暖化を促進する、石炭火力への投融資

高田氏古野氏ハイネケン氏

左から、高田氏、古野氏、ハイネケン氏

 6月28日、三菱UFJフィナンシャルグループ(MUFG)の株主総会で、350.org Japanは、同グループに「無責任銀行ジャパン大賞2018」を授与するアクションを行った。同団体の日本代表の古野真氏は「国内の民間金融機関の中で『エクストリーム化石燃料』への過去3年間(2015~2017年)の融資・引受額において、MUFGが一番多かった」と、選考理由を語った。 「エクストリーム化石燃料」とは、環境への悪影響が極めて高い、石炭採掘、石炭火力発電、タールサンド、北極・超深海の石油などのこと。「MUFGの過去3年間の融資・引受額は約1兆1170億円。国内ではワースト1、世界全体でも第11位です。他のメガバンクも、みずほファイナンシャルグループ(みずほFG)が第17位、三井住友ファイナンシャルグループ(SMBC)が23位と続きました」(古野氏)  地球温暖化の破局的な悪影響を防ぐための国際的な目標「パリ協定」を実行する上で、大量のCO2を放出する石炭火力発電所は、「高効率型のものであっても、新たな建設は許されず、既存の石炭火力発電所も廃止していくべきだ」と国連環境計画(UNEP)は勧告している。  この石炭火力発電所を現在開発している事業者への融資で、日本のメガバンク3行は、みずほFGが世界第1位、MUFGが第2位、SMBCが第5位に入っているとして、国内外、多数の環境NGOから批判の声があがっている。
2030年までに

日本がパリ協定の目標を実現するには、2030年以前に石炭火力発電をやめなければならない

 他方、世界の金融機関では化石燃料からの投資融資引き揚げ=ダイベストメントが進んでいる。「世界の大手金融機関が次々に『脱石炭』を表明しています」と語るのは、国際環境NGO「グリーンピース・ジャパン」のエネルギープロジェクトリーダーの高田久代氏。 「オランダの銀行大手INGは2015年11月、全世界での石炭火力発電および燃料炭鉱への資金提供を即時停止すると発表しました。フランスのBNPパリバ銀行も石炭火力発電への資金提供を行わない、米国のJPモルガン・チェース銀行も石炭火力発電資金提供を減少させることを決定しています」(高田氏)
次のページ
SMBCの株主総会で森林保全対策強化をアピール
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会