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6月には米朝首脳会談が実現し、アメリカではFRBが利上げを実施。欧州でも量的緩和の縮小が進んでいる。時々刻々と変化する世界情勢のなかで、投資家はどう対応すべきか? 闇株新聞氏が4つのキーワードから注意点を抽出した。ラストキーワードは、お待ちかねの
「注目銘柄」だ!
’18年後半の世界経済失速と円高で国内消費関連が脚光
’18年後半にかけて、為替相場は
円高シフトが進むと考えられます。前述のとおり、アメリカ経済にブレーキがかかる一方で、金利上昇圧力は高まっています。FRBの利上げスピードが予想を下回るようであれば、一気にドル売りが加速するのは必至。欧州ではテーパリングの本格化を控えていますが、
EU崩壊の火種がくすぶっているため、反EU派が台頭するたびにユーロも売られます。
リスクオフ相場で、円のみが買われるという状況になるわけです。
さらに、商品市況をけん引してきた
原油相場は頭打ちの兆しが見えてきていますので、日本の消費者物価は伸び悩むことが予想できます。全上場企業の’19年3月期業績予想がほぼ横ばいとなっているのも納得です。
このような経済状況では、主力の輸出系企業の値上がりは期待しにくいでしょう。消去法で
小売・サービス系が物色されるだろうと見ています。注目は、驚くほど安値圏に放置されている
ヤマダ電機。’18年3月期は業績下方修正を経ての減益決算でしたが、’19年3月期は増益予想。そのため、年間配当を13円から17円に増配することを発表しています。
一方、広い意味でのサービス事業者として注目されるのが
KDDIです。NTTグループは海外展開に失敗し、ソフトバンクもスプリントの主導権争いに敗れましたが、KDDIは一貫して国内事業に注力。動画配信サービスでは
ネットフリックスと提携するなど、堅い路線を堅持しているのです。業績を見ても’19年3月期は初の営業利益1兆円超えで、ドコモを上回る予想。
’19年には楽天などの新規事業者の参入が見込まれていますが、KDDIの競争力が削がれることはないでしょう。