saki / PIXTA(ピクスタ)
スクリーンやホワイトボードを使うパーツ動作を分解する
アイコンタクトを読点や句点で下にはずすと、聞き手を引き付けやすくなります(
参照:今すぐできる。聞き手の期待や理解が高まる、「上手な視線の外し方」)。この演習をしていて、よくある質問に、ある程度実施できるようになったが、スクリーンの前やホワイトボードの前で実施すると、リズムが崩れてしまうというものがあります。
今回はこの問題を取り上げたいと思います。これもスキルをパーツ分解して、コアスキルを見極めると、スキルを身に付けやすくなります。
スクリーンを背にして話しをする場合に、聞き手にアイコンタクトして話し、読点や句点でアイコンタクトを下にはずすという動作に加えて、スクリーンに向かってターンする(スクリーンを向く)、スクリーンの内容をレーザポインタなどで示す、ホワイトボードから聞き手にターンする向きを変えるという動作が加わります。これらのパーツ動作のスキルを身に付けていけばよいのです。
大事なポイントは、聞き手の方向からスクリーンの方向へターンをする、スクリーンの方向から聞き手の方向にターンをするという時に「話さない」ということです。ターンをしている時に話してしまうと、落ち着かない印象を与えてしまいがちです。
また、アイコンタクトが横に流れてしまいまい、下へのアイコンタクトができなくなってしまいます。さらに、話し続けることになりがちで、間をつくれなくなり、聞き手の期待を高めたり理解を深めたりすることがしづらくなってしまうのです。
このように申し上げると、「スクリーンとの間のターンをするたびに沈黙ができてしまうことで、間がもてなくなってしまったり、聞き手の関心度や集中度を低下させてしまったりしてしまうのではないか」という質問を受けることがあります。
演習経験や企業での実践サポートをしている限りでは、スクリーンとの間のターンの秒数程度で、聞き手の関心度や集中度を低下させてしまうことはありませんので、是非、試してみることをお勧めします。
ターンをする際に陥りやすいミスが、中途半端なターンをしてしまうことです。演習をしていると、体の軸がターンしておらず、首だけスクリーンをみたり、聞き手をみたりしていたり、中には、目だけスクリーンをみたり、聞き手をみたりしていることを繰り返しているケースも散見されます。
首だけターンしていると、そのこと自体が奇妙な動作なので、聞き手がその動きに気をとられて肝心な内容が頭に入ってこないという事態にもなりかねません。目だけのターンとなると、これは、下にはずすアイコンタクトができなくなってしまいますから、聞き手を引き付けられなくなります。