京都向日町競輪場Facebookより
6月18日、大阪を震源地とする震度6弱の地震により、多くの被害があった関西地方。地震の一昨日まで高校生による自転車競技「第55回近畿高等学校自転車競技大会 兼 平成30年度全国高等学校総合体育大会近畿予選会」が行われていた京都向日町競輪場で観客席のガラスが割れて飛散するなどの被害を受け、19日から実施される予定であった競輪の開催も中止となってしまった。
京都向日町競輪場のFaceBookには一面に飛散したガラス片の写真と開催中止のお知らせが掲載され、地震の激しさの一端を垣間見ることができる。(参照:
京都向日町競輪Facebook)
だが、それ以上にガラスの飛散・開催中止の一報を聞いた競輪ファンは大きな心配に駆られてしまっていた。
それは2016年4月14日~16日に大きな地震となった熊本地震の記憶である。大変な被害となってしまった先の地震。最近では熊本城の復旧もニュースになっているが、大きな被害を受けた施設の一つに熊本競輪場があったのだ。
熊本競輪場は全国の競輪場でもサイズが大きい1周500m、さらに直線距離も日本一であり、ファンからは「滑走路」と呼ばれる競輪場でもあった。そんな熊本競輪場も熊本地震によってスタンドは支柱が崩れ、走路に断層が走るほど大きな被害を受けてしまい、現在でも休止状態に追い込まれている。
京都向日町競輪の休止でファンが心配していたのは、熊本競輪のような被害にまで広がってしまっていないかということであった。幸い、走路への影響は見られないと発表されているが、施設の点検など、次の開催から正常化できるかどうかはまだ不明だ。
ちなみに熊本競輪は一端、廃止まで含めて今後を検討されていたが、現在では走路を縮小のうえ施設も建て替えて再開する方向で検討されている。名物である滑走路は消滅してしまうことになりそうだが、日本最南端の競輪場として存続を喜ぶ声は多い。また、競輪のみならず、トラック自転車競技場を必要とする自転車競技者にとっても朗報となった形だ。(参照:
熊本日日新聞)
公営競技は使命として、開催により主催者である自治体の収益を生むことが求められる。すなわち、レースを楽しみながら投票することで復興支援への寄付としての役割を果たす。先の熊本地震でも、熊本市主催の開催を他の競輪場を借り受けて開催したり、他の開催でも熊本復興支援への寄付を含んだ開催が多く実施され、多くのファンが普段以上の投票を実施した経緯がある。