アメリカまで辿り着いた不法移民の子供1475人が行方不明。なぜそれでも彼らはアメリカを目指すのか?
2018.06.16
白石和幸
6月に入って、パナマと米国の間で協力して不法移民の取り締まり部隊の創設が合意された。パナマは運河や自由貿易区を持ち、港湾とロジスティック運輸面において世界の中継地となっている。(参照:「El Pais」)
それは裏を返して見れば人的にも中継地として人の出入りが多いということになる。それを利用してこれまでもアフリカ、アジア、南米からの移民が米国に向けて出発する起点がパナマなのである。
米州機構(OAS)の外務担当マヌエル・ゴンサレスが2016年5月の時点で、南米から中米に向けて9000人以上がパナマを中継していると述べている。実際にブラジル、ベネズエラ、ペルー、エクアドルを出国してそのルートをチャレンジした人たちの語ったところによると、まずコロンビアを通過して中米7か国からメキシコに到達するのだという。しかし、通過する各国の国境警備が厳しくなり、人を移送するのを商売にしている組織も一部解体を余儀なくさせられているという。(参照:「El Pais」)
米墨国境にすら辿り着けない不法移民志願者たち
アフリカのコンゴから妻と子供一人を連れて2016年11月に出国したケンボさんは、パナマとコスタリカの国境地帯で5か月間足止めさせられた時に“コヨテ”に騙されたことに気づいたという。“コヨテ”というのは不法移民者を目的地まで警備隊の監視から逃れて移送する人たちのことである。コヨテは当初、ケンボに50日でメキシコの国境まで到達することを約束していたそうだ。彼はこれにチャレンジするために家と車を売って6000ドル(65万円)を移動の旅費としたという。
ケンボさんにしてみれば、移動の行程では暴力や強奪の危険性が十分にあるが、アフリカからここまで来るのに艱難辛苦したことを考えると計画を途中で止めることなどできない。ただただ北上して行くのみだという。
パナマを起点にしなくとも、中米で米国に向かう移民が多い国にグアテマラ、エル・サルバドル、ホンジュラスの3か国がある。グアテマラとメキシコの国境近くに位置しているグアテマラのテクン・ウマン(Tecún Umán)市にある「移民の家」を管理しているアデマル・バリリ神父は、「問題は国境を通過することではない、メキシコ国内を移動することである」と指摘している。昨年はここを6000人が利用したそうだ。
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