「自然エネルギーで農家の所得増」か「公共事業」か。新潟県知事選で両候補の「所得アップ」策が激突

横田一

名護市長選では2度の応援に入った小泉進次郎氏が、新潟には入らず?

新潟県知事選でも、自公支持の花角氏の応援に駆けつけるのは確実と見られていた小泉進次郎氏だが、選挙戦終盤になっても新潟入りの日程は発表されていない

 6月10日に投開票を迎える新潟県知事選で、最終日に小泉進次郎・自民党筆頭副幹事長が自公支持の花角英世候補の応援に入るのか否かが注目されている。今年2月の名護市長選では現地に2回入り、自公推薦候補支援の当選に貢献した進次郎氏。ところが、新潟県知事選では最終日前日の段階でも一度も応援に入らず、その日程も発表されていないのだ。

 しかも選挙戦中盤の時点で「進次郎氏が応援要請を断った」という情報も流れた。6月1日の池田千賀子候補を支援する集会では、司会役の佐々木寛・新潟国際大学教授がこんな発言をした。

「私が今日聞いた話では、小泉進次郎さんは(花角候補の応援に)来なくなったそうです。(小泉純一郎元首相との)『親子対決』を楽しみにしていたのですが、進次郎さんは断られたそうです」

 原発ゼロを訴えて全国講演行脚を続ける小泉純一郎・元首相は5月23日に新潟県魚沼市で講演、熱弁に耳を傾けていた池田候補と握手をして激励もした。講演を聞いて「『原発ゼロ新潟』の公約に確信が持てました」と話す池田候補に小泉元首相は実質的な支援表明を行っていた。

 と同時に、メディアでは「新潟県知事選で親子対決へ」という報道が流れるようになった。「名護市長選と同様、今後の政権運営に大きな影響を与える新潟県知事でも、進次郎氏は自公系花角候補の応援に入るに違いない」との見立てにもとづくものだった。

 しかし告示後になっても進次郎氏の現地入りの日程は発表されない。2度応援に入った名護市長選では、市内に数日前から「進次郎来たる」というポスターが林立したが、そんな光景は県知事選の最終盤になっても新潟県内には出現していない。

小泉元首相の“盟友”吉原毅・城南信用金庫相談役も池田候補を応援

吉原氏

小泉元首相の盟友である吉原毅・城南信金相談役も、6月1日に現地入り。池田候補の応援演説を行った

 小泉元首相の”盟友”として、「原発ゼロ」の全国講演行脚に同行している吉原毅・城南信用金庫相談役も、6月1日に池田候補の応援で新潟入り。安倍政権の原発推進政策から自然エネルギーへと転換をすることで「農家の所得増」というメリットをもたらすことを訴えた。

「お米を作りながら(農地に設置した)太陽光発電をする『ソーラー・シェアリング』という技術が日本でどんどん普及していて、農水省が大変力を入れているのです。全国で1000か所やっていますが、新潟でも農地で太陽光発電をする。新潟県は米どころであると同時に電気を売れば、農家の収入が10倍になる。そういう新しい成長ビジョンを取り入れて『新潟県は原発即時ゼロで十分にやっていけるのだ』ということを、池田さんにお願いしたいと思っています」

 吉原氏は、小泉元首相が去年秋の衆議院総選挙の告示前の9月25日、原発ゼロを掲げて「希望の党」代表に就任したばかりの小池百合子都知事を激励をした面談に同席した。この時点では政権交代の気運が一気に高まったが、直後の小池氏の「排除」発言が野党分裂を招いて失速、原発ゼロ政権誕生の絶好のチャンスを逃した。

 しかし8か月後、安倍政権打倒のチャンスが再び到来した。新潟県知事選で自公支持候補が敗れた場合、「安倍首相では来年の統一地方選や参院選が戦えない」という声が自民党内で広まって総裁選3選が絶望的になる可能性が高いからだ。

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両候補の所得増政策が激突

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