薬剤師が教える、今さら聞けない『ビタミン』の話

長澤育弘

photo by MarkBuckawicki(CC0 PublicDomain)

ビタミンってそもそも何なの?

 さて最近は健康志向の番組とか増えて「ビタミン」っていう単語よく聞きますよね。そもそもビタミンって何なんでしょうか?

 生理学の本には、「生物の生存、生育に微量に必要な栄養素のうち、炭水化物・タンパク質・脂質以外の有機化合物の総称」と書いてあります。……砕いて言えば「体にちょっとだけ必要だけど体の中では作れない炭素でできた物質」という事です。なお炭素が入ってない必要な栄養素は「ミネラル」と言います。

 実はこれ生物種によって結構違いがあり、例えばビタミンCはヒトにとってはビタミンなのですが、殆どの生物は体の中でビタミンCを作れるのでヒトを除いてはビタミンではなかったりします。つまり栄養学的には、犬とか猫にはビタミンCは必要ないという事なんですね。

 また、ビタミンは物質名ではなく機能で分類されます。例えばビタミンAはレチナール、レチノールなどの物質からなっています。どっちもビタミンAと呼べます。

 ビタミンはヒトの体で合成できないので、食物から摂取する必要があります。野菜などの摂取が推奨されるのはそのためなんですね。こうしたビタミンは13種類存在します。

 大きく分けてビタミンは2つに分けられます。水に溶ける「水溶性ビタミン」と油に溶ける「脂溶性ビタミン」があります。

過剰摂取がそんなに問題にならない「水溶性」

 まず水溶性ビタミンを見てみましょう。

 水溶性ビタミンとはその名の通り水に溶けるビタミンです。過剰に摂取しても尿で出て行ってしまうので、あまり過剰摂取が問題になることはありません。種類としてはビタミンB(1.2.3.5.6.7.9.12)とビタミンCの9種類です。

◎ビタミンB1(チアミン)
 糖質からエネルギーを取り出すのに必要なビタミンで、主に穀物に含まれます。不足すると脚気になることで有名。強度の労作や消耗性疾患で必要量がとても多くなります。市販品で疲れた時には「アリナミンA」と言ってるのはこの為。

◎ビタミンB2(リボフラビン)
 代謝や呼吸に作用するビタミンです。肉や穀物に入っていて、不規則な食生活が不足する主な要因です。皮膚や爪、頭髪の細胞分裂などをはじめとする健康には不可欠な物質です。不足すると口内炎や口角炎が起こる原因となります。数百倍過剰摂取しても過剰症状は起こりません。栄養剤を飲んだ後尿が黄色くなるのは概ねビタミンB2の色です。

◎ビタミンB3(ナイアシン)
 3大栄養素の代謝に作用する物質。あまり聞かないビタミンですが、二日酔いを起こすアルデヒドという物質の分解の補酵素としても作用するため、アルコールが好きな人は不足しがちです。極度に欠乏するとペラグラという病気を発症します。(※筆者注:日本では稀)

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ビタミンB5は「どこにでもある酸」!?

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