男がいう「妊婦様」はなぜ女性の怒りを買うのか<北条かや>

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ネット上には、妊婦を揶揄する「妊婦様」というスラングがあるが……

北条かやの「炎上したくないのは、やまやまですが」

 先日、結婚式の演出などを手がける「株式会社リベラ」社長の発言がプチ炎上した。リベラ社長の鈴木裕行氏が、出産経験のある女性のツイートに対し批判的な言及をしたのだ。  その女性いわく、 「赤ちゃん産むのはわたしなんだから、産後の義両親のお見舞い来るタイミングはわたしのOKが出てからにして欲しいと思ってしまう。主人は『嬉しいことなんだしいつ来てもらってもいいだろ』と言う。わたしは嫌だ、譲れない」(ツイートより一部抜粋、句読点を足して掲載しています)  出産直後で気力も体力も落ちている女性にとって、義理の両親や知人など、やや気を使う他人が見舞いに来るのは負担だろう。夫にもその思いを汲んでほしいとの内容だが、鈴木氏はこれを引用リツイートし、 「産後の面会とかはもちろん体調と相談で周りのみんなの気遣いが必要と思うんだけど、『お腹ん中で育んだの私だから』『産むの私だから』という、旦那より私の方がえらい感、私は優先されるべき感みたいなのが滲み出ててこれが妊婦様って奴なんだなーと思ってゾッとした…。」(原文ママ)  と言ってのけたのである。  産後の体調を気遣って、他人の見舞いを控えてほしいという女性に対し、「旦那より私の方がえらい感」「これが妊婦様って奴なんだなー」と「ゾッとして」みせる。鈴木氏のツイートは5月31日現在、1900件以上RTされており、女性を中心に反発を受けた。 「10ヶ月つわりや体調の変化に耐え、命をかけて子供を産むのに、これだけのことで『妊婦様』呼ばわりされるのかとゾっとした」とか、「何でお見舞いのタイミング決めるだけで『妊婦様』なんだよ。女性がちょっとでも自己主張したらいけないの?」など、命をかけて出産する妻に対し、あまりにも酷いという批判が集まっている。
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炎上の”先輩”である筆者からすると、鈴木氏の戦略は間違えている
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