また、同じく昨年の大統領選挙で敗れた野党「自由韓国の党」代表の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏も「ドルイドキング事件」と文大統領の関与を訴える一人だ。彼も文大統領を名指しで批判し、検察による強制捜査を訴えている。
もちろん世論の風当たりは、洪氏にも厳しい。
今月5日、国会の前で党代表である金聖泰(キム・ソンテ)氏が、或る男に殴られるという事件が起きた。
男は金氏に握手を求めるふりをして、いきなり殴りかかってきたという。警察によると、この男は洪準杓氏が以前に南北首脳会談を「文大統領による『政治ショー』だ」と発言したことに対して腹をたて、「ドルイドキング事件」をも糾明する姿に黙っていられなくなったと言う。本当は洪準杓氏を狙っていたことも明かした。
犯人の男は警察に対して、「後悔はしていない。『ドルイドキング事件』よりも、(南北首脳会談で発表された)『板門店宣言』に対する準備が優先だ」と話している。(参照:
イーデイリー)
この疑惑に対して与党である「共に民主党」は、当初から捜査に応じる姿勢を示さなかったが、先日ついに「真相調査委員会」を立ち上げた。しかし、文大統領の関与は一貫して否定している。
「共に民主党」の秋美愛(チュ・ミエ)代表は先日行われた会議で「ドルイドキング事件をうけて、野党のこれ見よがしの態度に深刻な憂慮を表する」とした上で、「金議員と連絡したという理由で、あたかも政権の責任であるかのように誇張する姿勢に、強く対応する」と強調した。
「真相調査委員会」とは名ばかり、この委員会は、むしろ野党対策として反論することが主となりそうなところ。
南北首脳会談の成功により「翼を得た虎(寅)」(※韓国のことわざ)になった文政権は盤石なのか?
野党のあらゆる追及も交わし続ける現政権の後ろ盾は、国民による圧倒的な支持率だ。翻って野党の目論見は、「ドルトイキング」を利用した支持率神話の解体。
SNSの普及のみならず、調査の方法でも少なからず上下する支持率に、一喜一憂したり、自信過剰になったりするのは、どこの国でも同じ事なのだろう。
<文・安達 夕
@yuu_adachi>