若いフィリピン人男性と愛人契約まで結んでいた山辺節子
北条かやの「炎上したくないのは、やまやまですが」【その24】
4月19日、熊本地裁。『つなぎ融資の女王』こと山辺節子被告(63)は、知人から約1億7700万円をだまし取ったとして懲役7年(求刑懲役10年)を言い渡された。
大企業の名をかたり、会社役員らからだまし取った金は20億とも27億とも報道されている。
ちまたでは、そんな山辺被告が判決を前に書いたという手記が話題だ。『週刊新潮』4月26日号にその一部が掲載されている。
約1年前、タイで熊本県警に逮捕された山辺。彼女が知人から集めた20~25億円以上ともいわれる金額もたいそうだが、その外見が「若作りしすぎ」と世間をざわつかせた。
62歳の年齢に見合わぬ、露出の多いファッションに「聖子ちゃんカット」。テレビやネットニュースが何度も報じたので、覚えている人も多いだろう。
「自称38歳」「若いフィリピン人男性を愛人にしていた」「歌舞伎町ホストクラブで豪遊」などの続報が出るにつれ、いい年の女が詐欺で集めた大金を若いツバメに貢いだあげく逮捕、という三文小説にもならない物語がどんどんできあがっていった。しかも実話だからシャレにならない。
山辺被告の手記によると、彼女の心には幼少期から「生き物」が住んでいたそうだ。「生き物」の実態が、自伝特有のナルシシズムに満ちた文章で説明されるさまは興味深い。
「生き物無しでは一分たりとも私は、生きられなかったのだから。どんな場所でもどんな時も、誰よりも美しく誰よりも品の良い宝石を指に胸元に光らせ、一番目立っていなければならない。そのうえ、羨望の視線を受けなければならないのだ」(『週刊新潮』4月26日号より)
「生き物」の正体は、明かしてしまえば大金を使って見栄を張る虚栄心ということになるが、それと同時に彼女に備わっていたのが男性を操るテクニックだ。
「先生から叱られると、じいっと相手の目を見てまばたきせず、涙をつうっと一粒流す。(中略)男性先生だけに通用する技だ。反比例するように女子や女性からは、どんどん嫌われていく」
このテクニックを解説する際、山辺被告は自分が「元来の美人ではないことを知っている」と独白する。だからこそ、「装いと誰にも負けない雰囲気作り、表情、声、話し方、しぐさこれらを細かく分析し、相手や場所に合わせてまるで一枚のパズル絵のように仕上げていく」のだ。