仮想通貨市場を再び“亡霊”が襲う!? 破綻した「Mt.GOX」がいまだに仮想通貨市場を揺るがす理由

池垣完

債権者にとってメリットがある民事再生がベスト

 このような趣旨を踏まえて、福岡弁護士のチームは「Mt.GOX Creditors」なるサイトを開設。同サイトに加え、ビットコイン・コミュニティを通じて、民事再生手続きへの移行に向けた上申書の提出をBTC債権者に呼びかけている。すでに債権額の1割に達する債権者(約200人)が上申書を提出し、東京地裁に報告済みだ。この再生案の賛同者を増やすのが、民事再生への移行を進める近道なのだ。
福岡弁護士が用意している上申書

福岡弁護士のチームが用意している上申書。すでに200人以上の債権者が債権番号を記したうえで署名して西村あさひ法律事務所の福岡弁護士宛てに送っているという

「裁判所が最も気を配っているのは、債権者の利益保護です。金銭債権者の100%弁済が保障されて、BTC債権者の利益を破産手続き以上に増やすことができる再生計画案ならば、十分に民事再生手続きへの移行を許可する見込みがあると考えています。その判断を後押しするためにも、債権者の声を裁判所に届けるべきと考え、上申書の提出を呼びかけているんです。多くの債権者の声が届けば、裁判所がその声を無視することはないでしょう」  実は、4月26日の150億円相当のビットコイン送金は、民事再生手続きへの移行を後押しする”売り物”だった可能性もある。’14年の破産直後と直近の資産と負債を比較した表にあるとおり、いまだマウントゴックスには査定が終わっていない届出債権が2つある。1つが現在もアメリカでマウントゴックスと係争中のCoinLab.inc。もう1つがTIBANNEだ。この両者の届出金額を合わせると約131億円。 「150億円相当のビットコインを現金化することで、2つの未確定債権の配当原資をねん出した可能性がある」(マウントゴックス債権者の一人)。これによって、「金銭債権者の利益の保護」という条件を満たせた、と考えることもできるのだ。  なお、民事再生手続きへの移行が進んだ場合には、すでに債権が認められている人が再び債権届を行う必要は必ずしもない。債務者がその債権の存在を知っている債権は「自認債権」として、債権リストに記載されるためだ。マウントゴックスの破産処理時に債権の届け出を行わなかった人は、民事再生のタイミングで届け出を行うことが可能。その新たな届け出債権の調査を経て、民事再生手続きが進められ、「標準スケジュールでいけば6か月で配当を実施することも可能」(福岡弁護士)だという。  では、民事再生が認められなかった場合はどうなるか? 実は、さらに破産処理が難航する可能性もあるという……。 「民事再生の申し立てが棄却されたら、破産管財人は保有するビットコインの売却を進め、すべてを現金にした後、配当を行うことでしょう。配当後の1300億円を超えると予想される残余資産は、破産したはずのマウントゴックスに配当され、そのタイミングで1300億円の資産を有する“清算会社”として復活します。そうなれば、当然、債権者はさらなる配当を求めて、その清算会社に対して損害賠償請求訴訟を起こしたり、再度、破産申請手続きを行う可能性も考えられます。下手をすると“2度破産する”可能性もあるわけです(苦笑)。実際、そうしないと清算会社を通じて、株主への配当が進んでしまう」 こんな二度手間が生じる可能性があるなら、やはり民事再生がベスト。さらなるビットコイン売りでマーケットが暴落するのを防ぐためにも……債権者たちよ、声をあげるべし! <取材・文/池垣 完>
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