前川喜平・前文科事務次官が警告「いま日本は、ファシズムの入り口に立っている」

官僚である前に、一人ひとりが尊厳ある個人であることを忘れないでほしい

――現職の官僚に求めることは何ですか。 前川:官僚である前に、一人ひとりが尊厳ある個人であることを忘れないでほしい。一人ひとりが精神の自由を持っている。何を考え、何を信じてもいい。『自分を失うな』と言いたい。  特に、文部科学省は『自分で考える教育をやりなさい』と言っている。『自分で考えなさい』という教育をしようとしている役人自身が、自分で考えていないのは非常に問題。自分で考える先生、自分で考える役人でいなければならないと思います。そうではないと、自分で考える子供は育てられない。  自分自身で考えることが大事だと思うのです。そのうえで『主権者である国民である』という自覚を持つことです。国民である自分が公務員である自分を批判する。自分自身の仕事を客観視して、批判する目を持っていないといけないと思います。 【※ファシズムの14の初期警報】米国ワシントンの「ホロコースト記念館」に展示されている、ローレンス・ブリット(政治学者)の言葉。13番目に「縁故主義と汚職の蔓延」がある。 1)強大で執拗な国家主義の宣伝 2)人権の重要性の蔑視 3)団結のための敵/スケープゴートづくり 4)軍隊の優位性/熱烈な軍国主義 5)性差別の蔓延 6)マスメディアの統制 7)国家の治安への執着 8)宗教と支配層エリートの癒着 9)企業権力の保護 10)労働者の力の抑圧もしくは排除 11)知性と芸術の軽視と抑圧 12)犯罪取り締まりと刑罰への執着 13)縁故主義と汚職の蔓延 14)不正選挙
赤池

自民党文科部会長の赤池誠章・参院議員

<取材・文・撮影/横田一> ジャーナリスト。小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力。その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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