大人気の東南アジア新興国マンション投資。思わぬ落とし穴にご用心

東南アジア 海外不動産投資、とりわけ東南アジア新興国のマンション投資が、相変わらず人気だ。タイやマレーシア、フィリピンなどでは、割安で物件を購入できるだけでなく、経済成長も著しいため、転売益と家賃収入がともに見込めやすいことが人気の秘密になっている。だが、ここに来て、風向きが少々変わり始めているようだ。 「外国人名義で土地も住居も保有できるマレーシアが、これまで特に人気でした。しかし、今年から外国人による不動産の最低購入金額が3000万円に引き上げられ、非常に買いづらくなっています」と話すのは、海外不動産投資の勉強会「アジア太平洋大家の会」を主宰する鈴木学氏だ。  また、言われているほど、投資自体が簡単ではないという実状もある。 「物件完成の数年前に安く買い、完成後に高値で売る“プレビルド”という値上がり益目当ての投資が主流。つまり、物件購入後の数年間はお金を払いっぱなしの状態が続きます。途中で資金繰りがキツくなっても、未完成の物件を取引する市場が未整備なためにすぐには売れません。また、資金的に持ちこたえて物件が引き渡されたとしても、巨大マンション開発だったりする場合、何年かごとに分けて建設されるので、住居部分が完成しても共用部分が未完成だったりして不動産価値が高まらず、すぐに売れなかったり、貸せなかったりすることも。物件購入後1~2年は、カネが入って来ないと考えたほうがいいでしょう」  加えて、業者のリスクも問題だとか。 「不動産業が免許制ではないので、業者の多くが金融やホテル業上がりでプロではありません。ロクでもない物件をつかまされたり、倒産・廃業のリスクもあるので覚えておくべきですね」 <取材・文/HBO取材班>
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会