職場の人間が「この人ダメだ」と思う3つの査定ポイント

仕事の実績以前に、職場の些細なことで周囲の人間はあなたを査定しているもの。全国の37~49歳正社員111人にアンケート調査した結果、つまらないことでも評価を下げかねない行動が浮き彫りになってきた。

つまらないことで評価を下げてしまう現実

◆評価下げポイントその1「整理整頓」
整理整頓

「整理整頓を後回しにしている」と会社員29%

「整理整頓を後回しにしている」29%  仕事に追われていると、机の整理整頓や経費精算といったこまごまとした雑務が後回しになりがちという40代は多いものだが、『人事のエラい人が教える、会社で生き残る上司対策マニュアル』の著者、塩見浩二氏はこう警告。 「こうした“つまらないこと”がきっかけで嫌われ、リストラ候補に挙げられることも珍しくないんです。『あの人なんとかなりませんか』といった苦情が寄せられると、評判の悪化に繋がる。人事は一人一人を細かく見てはいないので、評判の影響はバカにならない。40歳を過ぎたら、誰しもがリストラ要員。マイナスを稼がないよう日頃から努力しておくべき」 ◆評価下げポイントその2「書類の不備」 「書類の細かい不備が、他の人より多い」22%  しょっちゅう書類に不備があったり、常に提出期限を遅れるといったルーズさは周囲を苛立たせる。結果、「急ぎの仕事を頼んでも引き受けてもらえない」(39歳・建設)ということにもなりかねない。 ◆評価下げポイントその3「事務処理が遅い」 「事務処理が遅い」20%  ビジネスコミュニケーション講師の大嶋利佳氏は「こまごまとした事務処理も業務のひとつです。“つまらないこと”と軽んじること自体がまずい」と指摘する。例えば、会社の机は備品であって、私物ではない。汚くしておくことはオフィス環境を悪化させる。書類の字が読めなかったり、内容がわかりづらいと業務が滞る恐れもある。 「ひとつひとつは些細に思えることでも、こうした日常業務の積み重ねが評価に繋がります。40代ともなれば、“なんだ、あの係長のいる部署はみんなだらしないじゃないか”と思われる可能性もあるということに想像を働かせたい」(大嶋氏)  さらに企業向け研修で講師を務める濱田秀彦氏は「Q(クオリティ)・C(コスト)・D(デリバリー)でスキをつくってはいけない」とアドバイスする。 「とりわけ最後のデリバリー(納期)は周囲の評価に繋がりやすい。金曜日に出すべき書類を木曜に出すだけでも喜ばれます」  営業成績を上げたり、ビッグプロジェクトをモノにするのも重要だが、それ以前に日常業務の積み重ねが評価に繋がると心して、疎かにしないことが大切なようだ。 <会社からの評価に対する不満と実態> ※全国の37~49歳正社員111人にアンケート調査(%はYesの割合) ・整理整頓を後回しにしている:29% ・書類の細かい不備が、他の人より多い:22% ・事務処理が遅い:20% ・ちょっとした遅刻など、少々ルーズなところがある:19% ・カラーコピーをガンガン失敗するなど、コスト感覚が甘い:11% 【塩見浩二氏】 某社人事部長。『人事のエラい人が教える、会社で生き残る上司対策マニュアル』(ぱる出版)著者。人事部のあり方についての会を主催している 【大崎隆夫氏】 フレックスコミュニケーション取締役。個人向けコーチングから、企業の研修企画まで幅広く手がける。『コーチングで変わる会社 変わらない会社』(共著・日本実業出版社) 【濱田秀彦氏】 ヒューマンテック代表取締役。マネジメント研修講師。近著に、『あなたが部下から求められているシリアスな50のこと』(実務教育出版)がある 取材・文/江沢 洋 昌谷大介・武松佑季・照井琢磨(A4studio) 島影真奈美 清水芽々 友部綾子(本誌) イラスト/佐藤ワカナ
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