スタバが小江戸・川越に「町家」を新築!――「和」を意識した戦略、その意図は?

若杉優貴
 江戸の風情が残る埼玉・川越の一角が賑わいを見せている。その先にあるのは昔ながらの町家。そして出店している店舗は――なんとスターバックスコーヒー(以下、スターバックス)だ。

 近年、「和」を意識した「コンセプトストア」の展開を進めるスターバックスであるが、3月19日に開店した「スターバックスコーヒー川越鐘つき通り店」はその集大成というべき店舗の1つとなっている。早くも賑わいを見せる同店を訪問し、「和風コンセプトストア戦略」の真意を探った。

川越の街並みを更に美しく魅せるスターバックス

「スターバックスコーヒー 川越鐘つき通り店」(以下、鐘つき通り店)がオープンしたのは、蔵造りの街並みが広がる小江戸・川越の大通り「川越一番街」から東に伸びる商店街。沿道には川越のシンボル「時の鐘」がそびえ立つ。

 川越市内でのスターバックスの店舗はこれが3店舗目だが、川越(JR)・本川越(西武)の両駅に出店するターミナル型の既存店舗とは対照的に、江戸の風情が残る蔵造りの街並みに溶け込むようなデザインのコンセプトストアとなった。

以前から川越にスタバはあったが、観光地といえども一般型店舗であった

 実は、鐘つき通り店が出店した場所は蔵造りの街並みの中でも町家が歯抜け状態となっていた場所。スターバックスが伝統的な町家を再現した建物を新築したことで、街並みの美しさはより一層引き立つこととなった。

賑わいを見せる鐘つき通り店。隣の菓子店も復元建築で、この2軒が町家造りで再生されたことにより街並みは大きく魅力を増した

 店舗の外装には埼玉県産の杉材を使用。店内を覗けば、ベンチシートの背もたれには川越で江戸時代から愛されてきた織物「川越唐桟」が用いられるこだわりっぷりだ。さらに特筆すべきは、店舗奥の日本庭園とテラス席。川越の伝統的な町家の造りにならった緑豊かな庭が配置されており、「和」をコンセプトに、地域とのつながりを意識した空間づくりがなされていることが分かる。

 また、鐘つき通り店では通常のスタバメニューに加えて埼玉県で2店舗でしか味わえない「ナイトロ・コールドブリュー・コーヒー」も楽しめる。コールドブリューコーヒーに窒素ガスを加えたなめらかな味わいが特徴で、注文すればカウンターバーに設置された専用の機械からバリスタが対面で淹れてくれる。いつものコーヒーとは少し違ったまろやかな口あたりを求めて訪れる客も少なくないだろう。

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スタバ自体が観光地に!

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