<森友問題>やはり改ざんは2月17日からだった!「酒井弁護士、あなたは嘘を“つかされて”いる」

そして3月以降、酒井弁護士は打つ手を誤った

 あなたは知っていた。2016年以降の交渉でも、それまでの交渉でも、森友学園側からの値下げ要求に対して財務省側が用意したソリューションが「ゴミがあったことにして値段を下げよう」というものであったことを。そしてあなたも、藤原工業も、財務省のこの荒唐無稽かつ無根拠なソリューションに最後まで抵抗していたではないか。だからこそ、打ち合わせ議事録に、「ゴミがあったこととする」財務省の提案に「彼らのストーリー」と注釈をつけていたではないか。  あなたの判断が弁護士としてもプロジェクトの一員としても間違ったものになってくるのは、2017年3月以降のことだ。  あなたははっきりと「値下げ交渉するのはした。買い手として、すこしでも値段を下げてくれと依頼するのは当たり前ではないか。財務省は、売れないのなら売れないというべきだった。しかし財務省の側から、値下げするのでゴミがあったことにしてくれと言われた」と真実を語るべきだったのだ。そうすることが本当の意味で、あなたのクライアントである籠池氏の名誉と人権を守ることではなかったか?  しかしあなたは、なぜか、財務省の「ストーリー」を喧伝しだし、国家が行う情報隠蔽作業と捏造作業に手を貸した。そしてどんな嘘も嘘である以上そうであるように現実との齟齬を来したとき、あなたは現実を採用するのではなく、虚構を採用し、国家が犯す犯罪に手を貸した。  そしてそれだけでなくあなたは、籠池氏を売り飛ばし、突如代理人を辞任した。しかも辞任に際しての外部向けステートメントは全て嘘の情報で固められている。あなたはあのステートメントで「財務省側とは一切やりとりしていない」と言明しているが、今回のNHKスクープ、そして前回記事の私の指摘であきらかなように、あなたは森友学園側の代理人として財務省とコンタクトを取っていたではないか。  あなたが昨年3月、クライアントである籠池氏に対して取った態度は態度としては紳士的なものであった。その様子は、昨年3月10日に籠池氏が私学設置認可取り下げに至るまでの様子を録画・録音したデータにも残っている(それを私が見ていないと思うなよ)。データに残るあなたの態度は極めて紳士的でありすこしも威圧的なところはない。  しかしあなたの意図、あなたの伝える情報そのものは、虚偽にみちたものばかりではなかったか? 言葉遣いこそ紳士的であるものの、財務省発案の虚偽のストーリーに乗り、クライアントである籠池氏の利益ではなく、あなたの所属する北浜法律事務所のレピュテーション、財務省の国会答弁、そして安倍晋三の政治生命という「クライアントではない人物の利益」を優先させていたではないか。

酒井弁護士よ、今こそ表に出て真実を語れ

 あなたは弁護士として職業人として、自分が昨年行ったことを誇れるのか?  あなたは自分が見捨てた籠池夫妻が、事件とは別件の、そしてあなたもその真相を知る詐欺容疑で8か月もの間、拘置所におり初公判の目処さえたっていない長期勾留に苦しんでいるこの現状を見て心が痛まないのか?  いずれにせよ、事実はすでにあらゆることを物語っている。あなたが必死になってまもろうとした北浜弁護士事務所のレピュテーションも、政府の思惑ももはや地に落ちた。そしてもとよりそんなものは、あなたが職業人として最優先すべきだった「依頼者の利益」の前には何ら価値のないものではないか。  そろそろあなたは表にでて喋るべきだろう。いずれあなたにも手の及ぶ国会招致など待たずともよい。いまこそ真実を語るべきだ。  そしてそれが、「依頼者の利益を優先する」という職業人としての良識を取り戻す唯一の方法に違いない。 <取材・文/菅野完> すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。現在、週刊SPA!にて巻頭コラム「なんでこんなにアホなのか?」好評連載中。また、メルマガ「菅野完リポート」(https://sugano.shop)も、目下どこよりも早く森友問題などを解説するメディアとして注目されている。 ※編集部からのお知らせ:HBO編集部では、酒井弁護士ご本人からの反論原稿をお待ちしております。酒井弁護士、こちらの問い合わせフォーム(https://hbol.jp/inquiry)よりご連絡ください。どうぞ当サイトをご自身の意見陳述の場としてご活用ください。
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(sugano.shop)も注目されている
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