日本囲碁が再び輝きを取り戻すために、トップ棋士が開発した「囲碁パズル」とは?

タカ大丸

「“どうぶつしょうぎ”をヒットさせた幻冬舎さんから同じようなものを囲碁でも作りたいという話をいただき、今回リンゴからさらにデザインを進化させてちょっとしたカフェで大人がやっていても馴染むようなものを作っていただきました」

 そして昨年7月にデザインと問題集を一新した現在の「囲碁パズル4路盤」発売となったわけである。

 実際に筆者も購入しているが、確かに石の手触りもよく、盤も四角形ではなく曲線を用いているので視覚的にも優しい。外を走ってジムでシャワーを浴びた後にラウンジやカフェでやっていてもまったく違和感がない。

「将棋で言えば詰将棋というのは誰でも知っていると思いますが、囲碁にも詰碁というパズル問題があるわけですよ。僕自身若い時から詰碁の問題を作るのが好きで、今でも世界有数の詰碁作家だと自負しておりますが、そんな詰碁のパズルとしての美しさや面白さをもっと広く味わっていただきたい、それがきっかけで囲碁に興味をもってもらいたいと考えて開発しました。これで興味を持ってもらえたら、この先にはもっと広い盤面で奥が深い問題を用意しておりますので、そこで僕が作った問題の美しさを堪能してもらいたいな、と……」

初デートで詰碁集をプレゼント!?

 全くの余談だが、張栩九段はかつて昼夜を問わず小林泉美に新作の詰碁を携帯の添付メールにして送りつけ、一問解けたら数分後には新しい問題をまた送信して「無限詰碁地獄」に追い込んでいたらしい。初デートで「地合いの正しい計算方法」および「半コウの価値」を延々と語り、大量の紙の塊を渡したという。言うまでもなく、張栩詰碁集である。詰碁で夫人を口説き落とし、家庭を築き上げたわけで詰碁にひとかたならぬ愛着があるのは当然である。

「あとですね、囲碁パズルの碁石は非常にしっかりしたつくりになっているんですよ。本来の碁石は必ず膨らんでいますよね。しかし、囲碁パズルの碁石はこのようにフラットになっていて、積み重ねることができるんですよ。その上に碁盤を置いたりすれば小さな子供にとっては集中力も養えますし、手先の器用さとか集中力、バランス感覚も養えるのではないでしょうか。そういう遊び方もいいと思いますよ」

「囲碁パズル」には張栩九段作成の問題集が入っている。挑戦者は黒石を持って問題に出てくる白石を全滅させるのが目標となる。盤上の白石を全て捕まえる快感にとらわれたとき、あなたもきっと囲碁の魅力の入り口に足を踏み入れ、それが今後の日本囲碁の隆盛につながるに違いない。

【タカ大丸】
 ジャーナリスト、TVリポーター、英語同時通訳・スペイン語通訳者。ニューヨーク州立大学ポツダム校とテル・アヴィヴ大学で政治学を専攻。’10年10月のチリ鉱山落盤事故作業員救出の際にはスペイン語通訳として民放各局から依頼が殺到。2015年3月発売の『ジョコビッチの生まれ変わる食事』(三五館)は12万部を突破。最新の訳書に「ナダル・ノート すべては訓練次第」(東邦出版)。
 雑誌「月刊VOICE」「プレジデント」などで執筆するほか、テレビ朝日「たけしのTVタックル」「たけしの超常現象Xファイル」TBS「水曜日のダウンタウン」などテレビ出演も多数。公式サイト

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