Apple Pencil対応、9.7インチの新型iPad! シカゴのAppleイベントで何が語られたか

 続いて教育機関向けというテーマで発表されたのは、学生の無料iCloudストレージを5GBから200GBに増幅するというもの。新型iPadに比べれば地味な話題だが、アップルが「学生」という永続的なユーザーを取り込もうとしていることが伺える。  その後、発表された「Classroom」「Schoolwork」といったアプリも、生徒の情報管理や勉強の進捗状況を確認するためのもの。クリエイティブな分野やオフィス業務の次に、アップルが目をつけたマーケットが教育機関だということは、今後のIT市場の流れを考えるうえでも見逃せないだろう。 「教育機関向けとしてはGoogleが提供するサービスと競合しますが、日本ではChromebookの本格普及には至っていませんし、今後の動向に注目ですね」(小枝氏)  最後に発表されたのは「Everyone Can Create」という教育カリキュラム。’14年に始まったプログラミング原語「Swift」は、15カ国語、155カ国で普及している……。一般の教育者やビジネスマンにとっては、やや遠い話だ。しかし、ここでもアップルが「学ぶうえでの第一歩」に力を入れていることがわかる。  人が教育を受け続ける限り、「ペンとノート」がなくなることはない。「教育」に的を絞った今回の発表会は、アップルが未来の教師と生徒に「ペンとノート」を提供していくというマニフェストに他ならない。ティム・クックCEOは「今日はアップルにとってとても大切な日です。また、世界中の教師と生徒にとっても大切な日になることを願います」と発表会を締めくくった。「ペンは剣よりも強し」。IT化の進む教育現場で、アップルが覇権を握る日は今日始まったのかもしれない。 <取材・文/HBO編集部>
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