韓国映画界の大物俳優も「#MeToo」に! 被害女性の実名告白にシラを切り通せず

安達夕

口だけで謝罪し、後で「合意の上だった」と付け加える卑劣さ

 また、今夏に公開予定だった「神と共に-因と縁」にとっては大打撃だ。  この映画は韓国映画界初の2部作映画として公開当初から話題を集め、昨年公開された前編「神と共に ―罪と罰―」は、観客動員数1420万人を突破。歴代の韓国映画2位を記録した大ヒット映画となっている。その続編とあって、関係者は一早く撮り直しを決定。しかし、代役や追加撮影に関する情報は明らかになっていない。 「#MeToo」の余波は業界全体に広がりを見せはじめ、オ・ダルス氏が出演していない映画の関係者でさえ、気をもんでいる。俳優や監督など映画の業界人を相手に「#Metoo」暴露がいつ、どこで出てくるか分からないためだ。  万が一、なんらかのスキャンダルによって制作費の増額・上映日程の支障などが生じた場合、映画界にはその俳優を相手に、損害賠償請求訴訟を起こせる環境も備わっている。しかし今回の騒動では、なにか処罰を受けたものでもなく、オ・ダルス氏本人が過ちを全面的に認めたわけでもない。そのため、法律的には曖昧な側面があると業界関係者は慎重な姿勢だ。  口頭では「申し訳なかった。どんな償いでもする」とはいうものの、犯行を認めるような発言は避ける。口でだけ謝罪するのでは、法的になんの意味もない。  例えば、被害者側が「強姦だ」と主張すればまさしくそれは「強姦」であり、それに対して容疑を認め、「もし法的措置をとられるならば、誠実に対応する」と表明してこそ、法的な責任を論じたことになる。逆に言うと、そこまでしなければただの自身のモラルに沿った謝罪にとどまるにすぎない。 「#MeToo」によって告発された加害者側に、共通して見られる点がある。  彼らは口々に「申し訳なかった、反省する」とはいうものの、後日「好意を寄せていた」だとか、「恋愛感情があった」と話し、自己防衛の姿勢を崩さない。中でも最悪なのは、「合意によるものだった」と付け加えているケース。  これはもはや自身が性犯罪加害者にならないように、意図して発言している。合意かどうかなど当人達しか知らないことで、確認しようがないためだ。  勇気をもって告白しても、「合意の上」でなされたことと仕立て上げられ、「#MeToo」から逃げ切る手段として虚偽の弁明がなされていることに、専門家は警鐘を鳴らしている。 <文・安達 夕 @yuu_adachi
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