韓国のリベラル政治家も女性秘書暴行で「#MeToo」入り! 日本より容赦ない粛清の嵐

 韓国・革新系のスター政治家が一夜にして表舞台から引きずり降ろされた。政治家の政務秘書であった金氏が、テレビのニュース番組に出演し、彼の性暴行被害を訴えたのだ。政治家の名前は、安熙正(アン・ヒジョン)。韓国・忠清南道の道知事である。  急転直下だった。3月5日の報道番組における金氏の告白ののち、安知事の秘書室は「不適切な関係ではあったが合意の上」と反論。  しかしその直後、安知事本人が非を認め謝罪、政治活動の停止と知事の辞職を宣言した。安知事が所属する「共に民主党」は、安氏を除名。警察は安氏の性的暴行についての捜査を始めることになった。ここまで24時間を要していない。  安熙正氏は、いわゆる韓国「386世代」のスターである。 「386世代」とは、この言葉が生まれた1990年代に30代で、1980年代に民主化学生運動に参加し、1960年代に生まれた人たちの事を指し、現在52歳の安氏もこの世代に含まれる。韓国の民主化運動に熱狂したこの世代は、民主政権と言われた金大中大統領や廬武鉉大統領誕生を大きく後押しした世代と言われている。  大学時代の学生運動を経て政治の世界に飛び込んだ安氏は、廬武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の最側近のブレーンとして活躍した。  しかし安氏は、大統領選の時の不正献金の罪を被り1年間の服役。出所後は政治の表舞台に立つことはなく、陰で大統領を支えた。  2010年からは保守系の地盤であった忠清南道の知事選に出馬。劇的な勝利を飾り、2選も果たしている。  朴槿恵前大統領の失脚によって開催される大統領選に際しては、「共に民主党」の候補者予備選挙において、文在寅氏と戦い敗れはするが、文大統領任期終了後の、同党の大統領最有力候補と言われていた。  文在寅大統領の当選を祝う席上に駆け付け、文大統領を祝福する姿はとても印象的であった。  そのようなスター政治家も、自身の悪事を暴かれ、一夜にして犯罪者と化した。
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被害を受けた秘書がテレビで生告発「この後どうなるか怖い」
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