存在感を増すCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)。どんな企業がやっているのか
◆ソフトバンク
今年5月、ソフトバンクグループは、サウジアラビアなどと共同で、10兆円規模の投資ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」を発足させた。投資先はIoT(Internet of Things)、人工知能、ロボティクス、モバイルアプリケーション及びコンピューティング、通信インフラ及び通信事業、計算生物学、その他データ活用ビジネス、クラウドテクノロジー、ソフトウエア、消費者向けのインターネットビジネス、金融テクノロジー等である。(参照:「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」の初回クロージング完了に関するお知らせ)
今年9月末時点のソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先の事例として、Arm(半導体テクノロジーデザイン)、NVIDIA(半導体GPU開発)、Fanatics(オンラインスポーツライセンス販売)がある。(参照:2018年3⽉期第2四半期決算)
◆株式会社フジ・スタートアップ・ベンチャーズ
フジ・スタートアップ・ベンチャーズは、インターネット・モバイル分野ビジネスに特化している。メディア・コンテンツ産業のリーディングカンパニーとして、フジ・メディア・ホールディングスのグループ各社とのビジネスアライアンスの機会を提供し、事業価値向上のための支援を行うことが強みである。子会社化、他社M&A、IPOのExitを考えている。
投資事例としては、昨年7月、フジ・スタートアップ・ベンチャーズは、画像解析サービスを提供する株式会社Specteeへ出資した。Specteeは、ディープラーニング(人工知能)を活用して、高速ニュース配信を実現する画像解析および自然言語処理関連の複数の特許技術を保有しており、日本全国のTV局、新聞社、通信社、そしてAP通信社を初め、世界の報道機関で採用されている。
最後に、コーポレート・ベンチャーキャピタルと同様に、個人がプライベート・エクイティへアクセスするには、どのような方法があるかを考えてみたい。
正攻法で行くならば、コーポレート・ベンチャーキャピタル自体あるいは親会社の上場株式を買う方法がある。また、複数のコーポレート・ベンチャーキャピタルをパッケージにしたETF(上場投信)が存在する。“iシェアーズ 上場プライベート・エクイティ UCITS ETF”(野村證券の店頭で購入可能、“The PowerShares Global Listed Private Equity Portfolio(Fund)”などがある。
<文/丹羽唯一朗>
個人はCVCに関与できる?
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