宇宙から全世界にインターネットをつなぐ! イーロン・マスクの狙いとは?
2018.02.28
鳥嶋真也
イーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXは、2018年2月22日、人工衛星を使って宇宙から全世界にインターネットをつなげるという、壮大な計画の実現に向けた試験衛星の打ち上げに成功した。
「スターリンク」(Starlink)と名づけられたこの計画は、その詳細はまだ明らかになっていないものの、マスク氏肝いりのプロジェクトとして、陰ながら着々と進められている。
はたしてスペースXは、そしてマスク氏は、この計画でいったいなにを目指しているのだろうか。
全世界にインターネットをつなぐ「スターリンク」
マスク氏が宇宙から全世界にインターネットをつなぐという計画を明らかにしたのは、2015年のことだった。
現在、アフリカや東南アジア、南米をはじめ、北米でさえまだネット環境が整っていない地域があり、世界の全人口の約半数が、まだインターネットにつながっていないとされる。すでにブロードバンドが行き届いている日本のような国と、こうした国との間に生じる情報格差(国際間デジタル・ディバイド)は大きな問題となっている。
しかし、広大な草原や砂漠が広がる北米大陸や、小さな島が集まっている国、絶えず紛争が続き、そもそも水や電気すらまともに通っていないような国の津々浦々に、光ファイバーのケーブルを通したり、基地局を建てたりするのは難しい。
そこで生まれたのが、地球を覆うように多数(スターリンクは約1万2000機)の衛星を打ち上げ、宇宙からインターネットをつなぐ、「宇宙インターネット」というアイディアだった。
地上側に必要となるのは、ピザの箱ほどの大きさをもつ、数百ドルほどの価格ののアンテナのみで、これを介して、衛星と、PCやスマホなどの端末とをつなぐ。設置に大規模な工事は必要なく、また持ち運ぶこともできるため、理論上は世界のどこでも、たとえば砂漠や大海原の真ん中からもネットができるようになる。
宇宙インターネットのアイディア自体は1990年代からあったが、衛星の製造コストやそれを打ち上げるロケットのコストが高く、実現しなかった。しかし衛星やロケットのコストが下がったいま、ようやく実現の兆しが見えてきた。米国の連邦通信委員会(FCC)も、米国内における情報格差の解消手段として期待を寄せている。
情報格差がなくなることの価値、そしてネット人口が倍増することによるビジネス的な価値は大きく、その可能性は計り知れない。
ハッシュタグ
鳥嶋真也は、他にもこんな記事を書いています
石橋叩きのネット投資術
コロラド博士の「私はこの分野は専門外なのですが」
都市商業研究所
政界宗教汚染〜安倍政権と問題教団の歪な共存関係
たまTSUKI物語
ネット世論操作と民主主義
清水建二の微表情学
不動産執行人は見た
なんでこんなにアホなのか
分解スキル・反復演習が人生を変える
現役愛人が説く経済学
橋本愛喜
「持続可能国家」コスタリカ
ニュース・レジスタンス
ガマンしない省エネ
越境厨師の肖像
金欠フリーライター、民泊を始める
安達 夕
ビジネスで使える心理術
月刊日本
栄光なき起業家たち
「ダメリーマン成り上がり道」
サラリーマン文化時評
2018年閣僚答弁プレイバック
ロボティア編集部
サラリーマンメンタリスト
炎上したくないのは、やまやまですが
民意をデフォルメする国会5重の壁
あのサラリーマン漫画をもう一度
老舗の智慧
一般人の知らない「クスリ」の事情
漫画で考えるミソジニー
「パレオな男」の快適ビジネスヘルスハック
闇株新聞
”アーチャリー”松本麗華の視線
ブラック化する日本企業への処方箋
石原壮一郎の【名言に訊け】
ファイナンシャルフィールド
一年以内に離島・孤島でサブスリー!
マッチョ社長の「筋トレで解決しない悩みはない!」
決算書で読み解く、ビジネスニュースの深層
アスリートのセカンドキャリア考察
草の根保守の蠢動
文系サラリーマンでもできる!iPhoneアプリ開発
仕事に効く時代小説
中学校武道必修化の是非を問う
江藤貴紀「ニュースの事情」
深読みビジネス書評
江川紹子の事件簿
税理士・道下知子の税金相談室
投資で稼ぐ力~男に依存しない力を身につける
現役財務官僚が語る日本財政の真実
香ばしい人々returns
農家の窓から
パーソナル戦略PR術
広告やメディアで人は動くのか会議