キャリアや学歴だけでは足りない。やっぱり転職活動で「人間性」が問われるワケ

 これまで7000人以上のキャリアを見てきたヘッドハンターの高本尊通です。よく、転職活動というと、職歴や学歴ばかり意識されがちですが、多くの転職者を見た私の経験から、実は最終的な転職の成否を決めるのは「人間性」なのではないか、と感じています。 サラリーマン 今回は、私のこれまでの経験を踏まえ、キャリアに人間性がどう影響するのかをお伝えします。

「入社前」に社長と会食するべき理由

 ヘッドハンターとして、これまで多くの人材を企業に紹介してきましたが、採用面接とは別に、採用企業と転職者とで会食の場をセッティングすることもあります。これは、採用企業側から求められることが多いのですが、採用面接だけでは見えない“人間性”を見る場と考えられているようです。  たとえ履歴書や職務経歴書が完璧で、採用面接でも問題なかったとしても、採用企業としては、「本当にこの人と一緒に仕事をできるのだろうか」という不安は残るものです。そこで、会食などで話し方や立ち振る舞いを見て判断したいということなのでしょう。  こうした場は、採用企業だけでなく、採用される人間にとっても意味があります。「入社してみると、イメージと違った」となるリスクを避けられるからです。とくに中小企業は、入社後に社長など経営層と直接関わる機会が多いですから、あらかじめ、人としての相性もすり合わせておきたいところです。  また、もし可能であれば、社長だけでなく関わる現場の人たちの様子も入社前に見ておくと良いでしょう。なかには、「社長に気に入られて中途入社したら、部下から総スカンを受けた」という話を耳にすることもありますから……。  私の過去の経験として、ヘッドハンターとして紹介した人材が、採用面接でOKが出たにもかかわらず、入社することができなかったということがありました。ここでは具体的には書きませんが、採用面接後に設けられた会食中の態度などに問題があったのです。  私は、自分のスタンスとして、採用NGの理由もきちんと伝えるようにしています。もちろん、あらかじめ「今後の転職活動のために、包み隠さず言いますね」と前置きをしたうえですが。会食後に採用NGとなった方にも話をしたところ、彼がそのような態度を取った理由はわかったのですが、それでも採用企業の判断は変わりませんでした。  やはり、採用企業に対して、「きちんと向き合っていく」という意思を、態度で示す必要があったのだと思います。
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言葉の使い方から人間性を見られる
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