6号機で懸念されていた出玉の遅さは緩和されたが……?
政府が推進するギャンブル等依存症対策の一環として改正された、パチンコの遊技機規則が2月1日から施行された。
ネット上では、出玉規制が従来の3分の2まで引き下げられるであるとか、現行設置されている遊技台はすぐに撤去されるであるとか、様々な噂や憶測が飛び交っているが、当のパチンコホールの、1月31日の営業と2月1日の営業に変化は特にない。
正確に言えば、2月1日以降に、開発メーカーが保通協(販売前のパチンコ・パチスロ遊技機の検査機関)に持ち込む遊技機の仕様が新しい規則の施行により変わったのだ。
保通協での厳しい検査をクリアしたこれらの遊技機は、早くとも5月以降にパチンコホールに設置される。パチンコ業界も、約1年掛けて、今回の規則改正に関わる準備を行っており、現場レベルでの混乱はほぼ無い。
ちなみに現在ホールに設置されている遊技機は、各都道府県の公安委員会が許可している設置期間内(最大3年)は通常通り稼働させることが出来る。
遊技機の射幸性(≒出玉性能)が抑制されたことは確かではあるが、パチンコ業界は今後2年~2年半くらいの時間を掛けながら、新しい規則に沿った遊技機の設置を行っていく。
ただ、2月1日の規則改正により、大きく変わらざるを得なかったホールもある。
新規則施行のタイミングにより、全国のパチンコホールは、一部の対象機を除いた「みなし機」の撤去を余儀なくされたからだ。
パチンコ・パチスロ遊技機は、公安委員会から通常3年間の設置が認められており、これを「検定期間」と言う。この検定期間が経過したのち、再度公安委員会に許可を得て、更に3年間の設置を認めてもらうことも出来る。これを「認定期間」と言う。
この認定期間(6年)が過ぎたにも関わらず、または検定期間終了後に認定を取得せず、ホールに設置されている遊技機を「みなし機」と呼ぶ。
規則施行日前日の1月31日に「みなし機」であった遊技機は、一部の遊技機を除き、施行日である2月1日をもってホールから撤去しなくてはならないのだ。
ほとんど遊技機の入替えを行わない小規模ホールには、設置されている遊技機の3分の1が「みなし機」という場合もある。
このようなホールは、一気に遊技機の入替えをせねばならず、その設備投資費が不足していたり、無理な投資を行っても回収の目途が立たなかったりの理由で、閉店に追い込まれたホールも少なくはない。
また当面は「みなし機」のまま営業を続けるが、警察からの指摘があったり、行政処分をくらうようなことがあれば、そのまま閉店するという経営者もいる。
全国的に遊技客が減少し、世間の風当たりも強い中、ここが潮時と言えばそれまでであるが、一方で業界の変化についていけず淘汰されるべくしてされたという見方も出来なくはない。