面接は都内一等地のオフィスで行われました。デートクラブの基本的な仕組みは、男女ともに身分証の提示が義務付けられた上、
・男性は一定レベルの年収(1000万円以上など)を証明できる書類
・入会費、年会費は数万円から数十万円までさまざまだが、とにかく高額で入会資格が厳しい
ということです。
一方、女性は年会費も入会費も無料。当日、身分証と写真撮影、男性向けのプロフィールを作成しておしまいです。どのような男性とお付き合いしたいか、食事の好みなどを細かくヒアリングされることもあるようです。
男性は高い年会費を払うのに対し、女性は無料。この非対称性は、女性が若さや容姿をアピールする一方、男性は年収で女性を引きつけるという、身も蓋もないマッチングの現実が反映された結果です。
私が入会したデートクラブでは、男性が会員サイトで女性のプロフィールを眺め、コンシェルジュなる方々にマッチングしてもらうのが売りでした。
女性は「上」から順にいくつかのランクにレベル分けされており、年齢や学歴、職業などが総合して「男性ウケ」しそうであれば「上」、普通なら「中」、それほどでもないと判断されれば「下」になります。
たとえば現役のキャビンアテンダントやモデルなどは、「上」になる確率が高いようですが、取り立てて売りのない女性は「下」になってしまう。
そうした女性の個人情報は、クラブ名(源氏名のようなものです)と登録番号で管理されており、お金のある「上」クラスの男性は、1回10万円超の「セッティング料」を支払い、「上」の女性とデートができる一方、「中」の男性は「中」以下の女性としか出会えません。ホステスクラブよりも風俗店、いやむしろ奴隷市場に近いような印象を受けましたね。これが現実なのかと。
結果的にはこの、老舗「愛人バンク」(私は愛人バンクという古臭い呼称が好きです)で、私はいくつかの愛人契約を取ることができたわけでございますが。そう、私もまた、男女関係ビジネスの奴隷市場に身を置く1人の女なのでございます。
<文・東條才子>