微表情から察する心の病 “仕事ができない”とされる人たちの表情には要注意

清水建二

心を病む兆候は普段の表情に表れる。身近な人の表情をよく観察しよう

 こんにちは。微表情研究者の清水建二です。

 本日のテーマは、微表情から心の病のサインを察することが出来るか? です。

 結論から言えば、現状、心の病になる可能性を診断することは難しいものの、声かけのきっかけや第二次スクリーニングの判断材料になり得る、と考えられます。

 表情・微表情と心の病との関係について様々な研究があります。例えば、心の病に罹っている患者の表情に左右非対称の表情が生じたり、鼻から上の表情筋が動かなかったり、自殺願望を隠している入院患者の表情に悲しみの微表情が生じるということがいくつかの研究から報告されています。

 また重度のうつ病患者は悲しみ・嫌悪表情を多く見せ、そう病患者は「本心からの笑顔」も「本心でない笑顔」も多く見せ、怒り・嫌悪・悲しみ表情はあまり見せない、統合失調症患者は恐怖表情を多く見せる、こうしたことも患者の表情研究からわかっています。

 しかしこれらの研究は、すでに病気の人はどんな表情をするのか・すでに病気の人をどうするか、という問題を扱っています。

 表情・微表情と心の病に関する諸研究のアプローチは基本的にこのパターンであり、将来の心の病を予測する体系的な表情研究は筆者の知る限り皆無です。

 それでは表情や微表情観察のスキルを心の病を防止するために利用するにはどうしたらよいでしょうか?

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カギとなるのは自尊心にまつわる表情

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