買ってはいけないのはどこ!?「ツープライススーツ大手5社」徹底比較
20~40代のビジネスマンであれば、ピタッとした細身のスーツを低価格で扱うツープライススーツを、誰でも一度は利用したことがあるのではないでしょうか?
2~3万円のスーツを主力としていた「THE SUIT COMPANY」。
ツープライススーツの安っぽい印象を覆したブランドのひとつです。そのターニングポイントは’10年頃だったと私は見ています。
ギ・ローバーというイタリア老舗シャツ創業家の長男アントニオ・ラベルダ氏をデザイナーとして招き、ショップインブランド「アントニオ・ラベルダ」が登場した頃。
当初シャツのみの扱いだった同ラインは、翌年以降、幅広く商品を展開! プラス1000円程度で手に入る本格派シャツは、それまでのツープライススーツ業態になかった付加価値を実現しました。
加えて、プラス1万円程度でグレード感があるスーツも登場。グループブランドのセレクトショップ「ユニバーサルランゲージ」で扱っていたイタリア生地ブランドの一部を、スペシャルエディションとしてTHE SUIT COMPANYに導入しました。シルク混紡など高級な糸で仕立てたスーツが、いつもの価格プラス1万円~手に入ります。
そもそも業界全体が、もはや「安いだけではなく品質を上げる」という方針ですが、同社が扱う一部の商品は高級感すら漂います。
そのこだわりはオープン当初から採用しているサイズ表記にも表れていました。他社ではY・A・AB体などJIS規格に基づいた表示をしていますが、THE SUIT COMPANYはヨーロッパで使われることが多いドロップ表記です。
ドロップ寸 = (胸囲 - 胴囲) ÷ 2
たとえば、胸囲と胴囲の差が16センチというくびれが強いジャケットはドロップ8と表示されています。一方、ドロップ6は12センチ差のくびれ、ドロップ4は8センチ差のくびれという意味合いです。
ただし、ドロップ表記に慣れていないビジネスマンは、自身のサイズを見つけることに苦労するかもしれません。
実際、私のクライアントに、同社で全身を揃えた方がお見えになったことがありますが、ドロップ表記を理解せず、サイズ感が合っていなかったため、高級感どころかだらしない印象だったのです。
同ブランドを有効活用できるビジネスマンは、きっとサイズ感・着こなしの知識を持った、あるいは店員とのコミュニケーションを楽しめる上級ビジネスマンでしょう。
とはいえ、低価格であってもそれなりの高級感にこだわりたい方に挑戦してほしいツープライススーツブランドです。
’00年頃に登場した「THE SUIT COMPANY(青山商事)」、「P.S.FA(はるやま商事)、「SUIT SELECT(コナカ)」、「ORIHICA(AOKIホールディングス)」、「The @ SUPER SUITS STORE(現在はONLYに名称変更)」は、ツープライススーツ大手5社と呼ばれています。
オープン当初こそ洋服の青山、コナカ、はるやま、AOKIなど、紳士服量販各社の若者向けブランドという位置付けでしたが、およそ18年の歳月を経て、各ブランドはまったく別物に見えるようになりました。
クールビズ導入から働き方改革まで、ビジネスファッションのカジュアル化が進むなか、ツープライススーツはそれぞれ独自路線を歩んでいたのです。
のべ4000人を超えるビジネスマンの買い物に同行してきた「服のコンサルタント」である私が、「ツープライススーツ大手5社の現在」を徹底比較します。
リーズナブルでも高級感!王道のTHE SUIT COMPANY
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