アクティビスト・ヘッジファンドはなぜアウトバック・ステーキハウスの親会社の株を買ったのか?
ジャナ・パートナーズ の最近のニュースは、レストラン、スーパー、食品などに関連するものが多いように、筆者は感じる。
例えば、ブルーミン・ブランズとジャナ・パートナーズ社が同時期にが新たに組み入れた11銘柄のひとつに「ジャック・イン・ボックス・インク」がある。ジャック・イン・ボックス・インクもレストラン業であり、ファーストフード・チェーン店である。
また、ジャナ・パートナーズは、以前、アマゾンの傘下となる前のオーガニック食料品チェーンのホールフーズの株式を8%取得して、アクティビストとして、ホールフーズに対して経営陣を刷新し、買い手を探すよう圧力をかけていたことがある。(参照:ロイター)
この時、ジャナ・パートナーズは、Amazon.comがホールフーズを買収したことによって株価が上がったため、彼らの戦略は成功を収めている。
2017年9月30日時点のジャナ・パートナーズのポートフォリオを見ると、セクター別構成比の1位が“Consumer Cyclicals”(28.56%)となっている。
“Consumer Cyclicals”は「景気連動型消費財」と訳されるが、消費財の内、“Consumer(non-cyclical)”(=「生活必需品」:洗剤、髭剃り、掃除関連など)を除いたものであると考えるとわかりやすい。自動車や住宅、娯楽や小売業が含まれる。食料品はこのカテゴリの内、非耐久消費財に分類される。
2008年の金融危機からおよそ10年間経済成長が続いてきたが、米国では消費も上向いている。「景気連動型消費財」の企業の業績や株価は、金融危機の時と比較して、良くなっているはずだ。しかし、「景気連動型消費財」に関連する企業は、アクティビスト・ヘッジファンドのジャナ・パートナーズから見て、まだまだ、改善の余地があると評価される企業が多いのであろう。したがって、「景気連動型消費財」に関連する企業は、M&A(企業買収)の対象となる機会や脅威があるだろうし、また、株価も割安な位置に放置されている銘柄があるかもしれない。
<文/丹羽唯一朗>
なぜ彼らはこうした銘柄に注目しているのか?
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