「闇キャラに転向したのは彼女自身では?」
いや、「闇が深いキャラを演出しているのは彼女自身であって、メディアじゃないぞ」とのご指摘もあると思う。
確かに田中さんは、フリー転向後、女性誌での連載で「本音」を書くようになられたし、プライベートの悩みをテレビで打ち明けることも増えた。
でも、それ「だけ」じゃないか。ここ、大事なので2回言いますが、彼女は「本音」を打ち明けるようになっただけです。しかも、その本音ができあがるまでの過程に、彼女へのバッシングやメディアのパパラッチ(ってもう古びた言葉ですけども)は、少なからず関係している。
にもかかわらず「闇キャラ転向」と面白おかしく記事にされ、「ファンをドン引きさせた」とか「大丈夫であろうか」とか、煽り記事を載せられるのは意味がわからない。もっと他に、彼女の魅力を引き出す表現はないのかよ、え?
田中みな実さんは、間違いなく注目されている。
『今夜くらべてみました』での発言は、ざっと検索したただけで、5つのサイトが即座にニュース配信したし、それらの内容は他のニュースサイトに転載される。多くの人が「田中さん=闇が深い」と印象づけられたことだろう。
なんだかなぁ。私、彼女のことが大好きなんですよ。テレビ関係者からは、「非常に頭が良くて仕事のできる方」だという話も聞いたことがある。
一度だけ、お会いしたときのキラキラした笑顔は、「死ぬときに思い出すだろうな」というくらい美しかった。
あんなに魅力的な彼女の内面が、変に歪んで伝わるのが許せないのである。すみません、超個人的な愚痴です。
新年早々、本コラムにお付き合いいただき、ありがとうございました。今年も炎上したくないのはやまやまですが、どうぞよろしくお願いいたします。
<文・北条かや>
【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『
キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『
整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『
本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『
こじらせ女子の日常』(宝島社)。最新刊は『
インターネットで死ぬということ』(イースト・プレス)。
公式ブログは「
コスプレで女やってますけど」