キックボクシング界の“神童”那須川天心選手から学ぶ“メンタルタフネス”

 まだ19歳にして、キックボクシング界の“神童”と注目を集める、那須川天心選手をご存知だろうか? 来たる12月29日と31日、さいたまスーパーアリーナで開催される「RIZIN FIGHTING WORLD GRAND-PRIX 2017」にて、浜本“キャット”雄大選手との対戦(※那須川選手出場の試合は31日のワンナイトトーナメント)が決まり、ファンの期待は高まっている。彼こそ、「格闘技界を変える男」として、いま格闘家で最も注目を集めている選手だ。  那須川選手の戦績はまさに、“神童”と呼ばれるにふさわしい。小学6年生でキックボクシングに出会い、アマチュア戦績は105戦99勝5敗1分、高校1年生の夏にプロデビューし、史上最年少の16歳でRISEバンタム級王座を獲得。その後、26連勝無敗というとんでもない戦績を誇っている。

RISEバンタム級王者/ISKAオリエンタルルール世界バンタム級王者。キックボクシング:21戦21勝、MMA:4戦4勝、ミックスルール:1戦1勝(’17年11月現在)

 このように破竹の勢いで連勝を続けている那須川選手は、「技術の習得が早い」とよく言われるという。その那須川選手がトレーニング中、常に意識していることとは? 「トレーニングコーチから何かを教わって少しでも自分がわからないと思ったときには、すぐに疑問点を質問するようにしています。『技術の習得が早い』とよく言われるのは、たぶん人から言われたとおりに何かをするのが苦手で、自分の頭で理解してからでないとできないからだと思います。もともと、自分は何事にも早く結論を求めるタイプみたいです。フラットに自分の考えを聞いてもらえるだけでなく、質問に答えてくれるトレーナーでないと、練習のモチベーションが上がらないですね」

「毎日トレーニングなので眠いときもありますが、気合いでなんとかします。学校の授業はいつの間にか終わっていることもありますけど(笑)」と19歳らしい一面を見せる那須川天心選手

 この“人から言われたことを鵜呑みにしない”スタンスが活きているのは、技術の習得だけでない。那須川選手が「タイトルマッチや大舞台の試合の重圧も、幼少期からずっとトレーニングをともにしている父親のプレッシャーと比べるとたいしたことはない」というほど恐れていた父親からのプレッシャーに耐えるのにも役立ったようだ。
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「ビビリ屋」だからこそ持ち得たタフネス
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