中国人が爆買い中――ウイスキーの転売が儲かる!

 近年、盛況を見せるウイスキー投資。お金持ちや投資家だけではなく、実は庶民にもその門戸は開かれている。売るもよし、飲むもよし、さまざまな楽しみ方ができるのがこの投資の醍醐味。 bin

チャイナマネーで価格上昇の国産ウイスキーを狙え

 近年のウイスキーブームにより、ヤフオクを主戦場としたウイスキーの転売市場が盛り上がっている。’17年10月に「山崎ミズナラ 2017EDITION」が1300本限定で発売され、抽選販売が200本。定価は10万円だが、翌日オークションに出品され40万円もの値が付いた。現在は30万円に下落したが、それでも20万円の粗利益だ。バブルの様相を見せるウイスキーの転売事情について、酒買取業者レッドバッカスの広報に話を聞いた。 「今、中国では日本のウイスキーが人気で、中国の会社から派遣された中国人が日本に駐在しヤフオクなどでウイスキーを買い占めていると言われています。’17の国内オークションでは、’05年発売、限定50本の「山崎50年」(定価100万円)が1300万円という高値で落札されています。チャイナマネーをもってすれば何十倍の値上がりも夢ではありません」  だが、一般人がプレミア物のウイスキーを手に入れるのは困難だ。 「人気銘柄の価格インフレは凄まじく、数量も減っています。’17年に限れば、50年物より価値の低い『山崎18年』でさえ、大手酒販売店で数本しか入荷されていません。個人経営の酒屋がオーダーしても3年待ちです」  では、ウイスキーの転売で儲けるのは夢物語なのか。答えは否だ。 「すべてのウイスキーの価値が上がっており、転売によってある程度稼ぐことはできます。家に飲まないウイスキーが大量に眠っているという人も、ウイスキーを売るなら今がベストです」  中国人がウイスキーを爆買いしている今こそ、千載一遇のチャンスだ。

価値が上がるウイスキーの選び方を一挙に伝授!

 では、どんなウイスキーが高値で売れるのか。選び方について訊ねた。 「限定200本~300本しか出ないなど、プレミア感のあるものです。その代表的な銘柄は『イチローズモルト』。最近ようやく10年物が出そうですが、完売必至で、予約だけでも生産分が売り切れになるほどの人気です。三越伊勢丹にて2万円前後で限定販売されたときも、従来よりは手に入れやすかったのに、ヤフオクで3万4000円の値が付きました」  価値の高い限定出品のウイスキーは、百貨店で販売されることがある。発売日は開店前から長蛇の列ができ、数時間待つこともあるが、オークションよりは安易に入手できる。 「銘柄の販売が終了するという終売情報にも注目です。終売情報が出た瞬間に投資家たちがこぞって買うので、価格が2~3倍に高騰するウイスキーもあります。’14年、終売時9000円だった本坊酒造『モルテージ駒个岳10年』が現在1万3000円。マイナーブランドの『ベンリアック12年』でさえ2017年の初めに、終売情報が出たことで数千円上がってきています。人気の限定品は、1年スパンで倍々になっていくこともありますね」  重要なのは、最大の買い手である中国人の需要を掴むことだ。 「中国人が買い占めているお酒は主に『山崎』と『マッカラン』。二つに共通するのはシェリー罇であることです。実は、中国では『マッカラン』以外の海外産ウイスキーってあまり認知されていないみたいなんです」  海外産シェリー罇の有名銘柄は「グレンファークラス」「グレンドロナック」「ハイランドパーク」など。中国人の手が伸びる前の今から目を付けておくのも面白い。また、情報収集にはSNSの活用が欠かせないという。 「日本ではあまり知られていませんが、海外のインスタグラムは大人の交流場であり、♯whiskyで調べると多くの海外ユーザーが画像を上げています。そこでいま注目のウイスキーを見つけるのも一つの手です」  新たな挑戦をする蒸留所にも注目だ。三郎丸蒸溜所や新設のガイアフロー静岡蒸溜所などは、クラウドファンディングで罇主を募集する企画を行う場合がある。罇で保管すれば、品質を損わずにウイスキーの所持ができる。年輪を重ねて価値が上がってからボトリングされたものの転売も可能だ。 《国内注目のクラウドファンディング》 ●三郎丸蒸溜所  最終的に3800万円の資金集めに成功。上質なシングルモルトウイスキーだ ●ガイアフロー静岡蒸溜所  ’12年に創設。’18年春に蒸溜所見学が解禁される予定で、足を運ぶことができる ●厚岸蒸溜所  ’16年、北海道・厚岸に設立された新興蒸溜所。 ●長濱蒸溜所  スコッチウイスキーを造る滋賀県びわ湖北部にある日本最小の蒸溜 「日本では新興の蒸溜所が増え、焼酎や日本酒メーカーもウイスキー業界に参入しています。ですが、ごく稀に海外のウイスキーを日本でボトル詰めして、それを日本産と謳う不本意な蒸溜所も存在するので、見極めも重要です」  ウイスキー業界は規模が小さいので、趣味、投資用の知識はネットで調べればすぐに得られる。即チェックだ。
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