億超え凄腕個人投資家は「四季報」の株主欄から何を読み取っているのか?
2018.03.09
名だたる億超え投資家たちも一目おく凄腕投資家として知られる、横這勝利氏。爆上げ銘柄やTOB銘柄を次々的中させ、資産は激増。昨年15億円を突破した。どうやってここまで上り詰め、今、どんな銘柄に注目しているか。取材班がむりやり聞き出した。
人は利己的な生き物である。経営者が株主目線の経営を行っているか。また、大株主は今後、何を仕掛けてくるのか。「株主欄」から予想する。
「増資」とは一般的に、新株を発行してお金を集めることを指す。既存株主からすると、新しい株が突然誕生してしまうため、希薄化して自分が持っている株の価値は下がってしまいがち。そのため、「増資」は既存株主からあまり好まれない資金調達法となっている。
ところが、「株価が上がる可能性が高い増資がある」という。「第三者割当増資」だ。
「これは、特定の第三者に新株を渡して、資金を調達する増資のこと。もしこの“特定の第三者”が、内部の事情をよく知る人間だったら……。何か意図があるのではないか、と勘ぐってしまいますよね」
ドン・キホーテの不動産管理などを手がける日本アセットマーケティングは、親会社のドンキホーテHDに対し第三者割当増資を発行し、親会社の実質保有が約82%になっている。
「買収はしていないものの、これだけ保有比率を高めるということは、日本アセットマーケティングの業績が好調で、今後、何か素晴らしいプロジェクトがあるのではないかと妄想してしまいます」
また、“第三者”が社長自身で、経営者自らお金を出して新株を受け取るケースもあるという。
「大黒屋HDは社長が自分で新株を引き受けて、現在20%ほど持っていると思われます。社長自ら株を持つということは、配当金を出すか、株価を高くして売ることで利益を享受しようとするはず。株主泣かせの経営者もいるなか、経営者自ら、僕ら株主と同じ目線で経営を考えてくれるということです」
横這氏の根底には、「人間とは利己的な生き物である」という考えがある。
「よくも悪くも、人は利己的です。経営者が大株主で、利己的になって儲けようと考えれば、それは株主にとって追い風となります。経営者や親会社が第三者割当増資で保有比率を高めた以上は、このまま終わらせはしないだろうと考えてしまいます。特に大黒屋HDは新規出店も加速させていて、ほかとの提携話などもある。今までと明らかに違って、“自分の会社”という意識を持ってくれているのを感じます」
大株主は何を考え、今後何を仕掛けてくるか。そして経営者は株主目線の経営をしているか。四季報の「大株主欄」からそれが透けて見えてくるのだという。
経営者が株主目線か、大株主の意向を探る
「第三者割当増資」で経営者自らが大株主になる裏の意図を探る
1
2
ハッシュタグ