底値株の魅力と落とし穴――失敗に学ぶ投資の鉄則

不祥事株投資「ぼくたちの失敗」

個人投資家Y川氏(匿名)

個人投資家Y川氏(匿名)

 不祥事株の最大の懸念は、破綻して株が紙くずになってしまうことだろう。「僕の失敗を反面教師にしてくれれば……」と個人投資家のY川氏が匿名を条件に経験を明かす。

「’14年に大型航空機の解約問題を巡ってエアバスから巨額の損害賠償を要求されて急落していたスカイマーク株を250円で2万株、約500万円で購入しました。JALが提携に前向きな報道が持ち上がってましたし、過去に不祥事からV字回復したこともありましたから……」

 Y川氏が言うようにスカイマークの不祥事は’10年にすでにあった。客室乗務員の体調不良をみた機長が乗務員の交替を求めたが、当時の西久保社長が交替を認めず運航を命じる。これを拒否した同機長をクビにしたことで国土交通省の立ち入り検査を受けたのだ。

「確か500円を割っていたのですが、増収増益を繰り返し、半年で1500円近くまで急騰したと思います。円安の原油高で利益は鈍化していましたが、無借金体質で財務内容は悪くない。上場来安値を底とみて、勝負をかけたのです」

 その後も200円付近で2万株のナンピン買いをするが、’15年1月の民事再生法申請で破綻へと一直線に転げ落ちた。最終的にY川氏は15円で全株を損切り。900万円がほぼ紙切れとなった。

「当時はスカイマーク関連の情報に振り回されっぱなしでしたが、悪い情報には目をつぶり、良さそうな情報に安堵する――冷静な判断ができなかったのが最大の敗因ですね。スカイラークの看板を見て、『あれ? ファミレス始めたんだ』と思ったくらいだから、相当重症でしたね」

取材・文/森田悦子 取材/高城 泰(ミドルマン)

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