「社員を尊重します!」と、周到な会議準備をするのが無駄なワケ

山口博

「会議の準備」なんてやらないほうがいい

 ただ、実際に会議や研修の冒頭の自己紹介で、この方法を試してみると、発言が途絶えてしまう組織がある。順番を決めてもらえないと発言できない組織が、実は少なくない。それほど、今日のビジネスパーソンは、お膳立てをしないと行動を起こせないほど、飼いならされてしまっているのかと思わざるを得ない。  私が会議の進行役を担う場合は、会議の席は、自由席だ。座りたい席に座っていただく。どこに座ったからといって良いとか悪いとかではなく、前の方に座りたい人もいれば、前の方の席だと落ち着かないので後ろに座りたい人もいるだろう。席を自由性にするということは、そういう個別の状況を尊重するということの証なのだ。  このように言うと、その会議の進行役や事務局は、名札をつくって、席を決めて、その席に誘導するべきだというご意見に接することがある。私に言わせれば、よかれと思ってそういう準備を周到にすればするほど、社員に席を強制し、社員の主体性を損ない、社員を尊重していないということになってしまう。  もう、会議の準備は不要だ。研修の名札作成の不要だ。不要どころか、やらない方がよい。  このように見てみると、会議に参加する社員に気を遣って、丁寧な仕事をしなければと思ってしたことが、実は社員を尊重することとは真逆の影響を及ぼしてしまうということがある。自分がアクションしていることがが社員を尊重することに役立っているかどうか、一度見直してみることをお勧めする。 【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第61回】 <文/山口博> 【山口 博(やまぐち・ひろし)】グローバルトレーニングトレーナー。モチベーションファクター株式会社代表取締役。国内外企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て、現職。近著に『チームを動かすファシリテーションのドリル』(扶桑社、2016年3月)、『クライアントを惹き付けるモチベーションファクター・トレーニング』(きんざい、2017年8月)がある。
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