“黒田バズーカ”も終了?――黒田日銀総裁の任期が来春終了

 日経平均が26年ぶりの高値圏に突入するなど、市場が大いに沸いている。“官製相場”とも言われるが、株高は世界的な傾向。そんな中、’18年の日本はどこへ向かうのか? 経済トピックスをチェック!
黒田総裁

「デフレ心理を一気に払拭することは容易ではない」と物価上昇率2%達成に向けて、大規模金融緩和を続行する姿勢をみせている黒田総裁。「日銀の挑戦に間違いはなかった」と自負する彼の続投はあるのか? 写真/時事通信社

マーケットは黒田氏にラブコールを送るが……

“黒田バズーカ”をはじめアグレッシブな金融政策で、アベノミクスや株高を支えてきた黒田東彦日銀総裁の任期が、来年4月に満了する。市場からは、次期総裁人事に熱い視線が注がれているが、三井住友アセットマネジメントの渡邊誠シニアエコノミストは、有力候補4人の名前を挙げた。 「財務省出身の本田悦朗・駐スイス大使、日銀出身の中曽宏・副総裁、雨宮正佳・理事、そして学界からは伊藤隆敏・コロンビア大教授の4人に絞られています。本田氏は積極緩和路線のリフレ派で、これに対して伊藤氏はやや慎重な立場。日銀出身の2人は、黒田総裁の下で金融政策運営に携わっており、黒田路線に近いと思われます」 “官製相場”との批判があるものの、バブル崩壊以降の高水準にある市場は黒田氏にラブコールを送るが……。 「11月初め、安倍首相は次期総裁について『白紙』としながら、黒田総裁を『信任している』と発言しました。政府関係者からも、再任を示唆する声があり、現時点では黒田氏の再任が有力視されています」  株高を支える日銀のETF大量購入の継続は、期待できるのだろうか。 「物価上昇がある程度認められるまでは、今のペースを維持するかは別にして、現行の緩和路線は続くだろうし、急激な金融引き締めは考えにくい。ただし、現在の緩やかな景気回復が続く限り、“黒田バズーカ”のような追加緩和策を打つことはないでしょう。市場はすでに黒田再任を織り込んでおり、実際に再任となれば、少なくとも下げ材料にはならないでしょう」  市場が待ち望んでいるのは、黒田氏ではなく、“バズーカ”なのだが……。 <TEXT/HBO取材班>
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