世界の投資家が注目する5つのバブル“HIEER”とは?

 日経平均が26年ぶりの高値圏に突入するなど、市場が大いに沸いている。“官製相場”とも言われるが、株高は世界的な傾向。そんな中、’18年の日本はどこへ向かうのか? 経済トピックスをチェック!

日経平均はバブル崩壊後最高値を更新

11月9日、日経平均はバブル崩壊後最高値を更新する2万3000円を超え、その後も26年ぶりの高水準で推移している。だが、今後は“HIEER”の値動きを注視する必要があると言えるだろう。 写真/時事通信社

「5つのバブル」の崩壊はいつ?

 世界的な超金融緩和の下、High Yield(ハイイールド)、IT、ETF、Emerging(新興国)、そしてReal Estate(不動産)の市場が高騰し、バブルの様相を呈している。これら5大市場の頭文字から“HIEER”(ヒア)と名付けたみずほ総研の長谷川克之市場調査部長は、こう警鐘を鳴らす。

 第一のバブル懸念は、米国で発行が急増するハイイールド債だ。

「世界的な超低金利下でお金がジャブジャブになっており、投資家は少しでも高い利回りを求めて“イールド・ハンティング(利回り狩り)”に躍起です。そんななか、米国では信用力が劣る会社の社債が大きく買われ、記録的な低利回りになっている。米国債とのクレジットスプレッド(利回り差)は低下し、信用力に見合う価格設定がなされているのか、不安が拭えない状況です」

 第2のバブルは、膨張する米国IT株。頭文字から“FAANG”と呼ばれるフェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、そしてグーグルの時価総額は2.6兆ドルと、英国のGDP(世界5位)をも上回る。

「米国IT株のバブルが弾ければ、市場は連動しているので、世界に甚大な影響を及ぼす。グローバルな投資家が米国株で損失を被れば、これを埋めるために利益が乗っている日本株を売るのは明らかで、日本株に割高感はまだないものの、影響は免れません」

 第3のバブルは、日本でも日銀による大量購入で“官製バブル“といわれるETFだ。米国でも資金流入が続き、その市場規模は3.1兆ドルに達する。

「ETFは基本的に順張りで、市場全体に連動する金融商品なので、ウェートが高まれば相場は一方向に振れやすくなる。ETF人気が、株式市場のバブルを後押ししている側面もあります」

 第4のバブルは、’09年以降、4兆ドル超の資金が流入した新興国市場だ。

「今後、米国の利上げが続くと予想され、ドルが強くなればこれまで相対的に金利が高い新興国に向かっていた資金が逆流する可能性が高い。すでにFRBはテーパリングを終え、これに加えて利上げを継続しています」

 そして、第5のバブルが、海外不動産だ。住宅価格の割高率は、ニュージーランドが114%、カナダが112%、香港が86%と高騰している。

「海外の不動産価格が割高なので、相対的に安い日本の不動産が買われている側面もあります。海外の不動産バブルが崩壊し、金融市場が混乱すれば、当然ですが日本にも影響します」

“HIEER”のバブルの崩壊が、世界に“Fear”(恐怖)をもたらすのは必至だ。その前に、便乗したいと考える向きもあるだろう。

「今、世界ではあらゆる資産価格が上昇し、’18年は実体経済も拡大することが予想される。つまり、市場は過熱しているが、すぐには弾けない“バブルの芽“の状態です。投資家のリスク許容度が高まること自体は悪いことではないが、楽観視は禁物です」

 警戒心をもって便乗したいところだ。

<TEXT/HBO取材班>


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