しかし、こちらに惚れ込んでくださる男性顧客の中には、積極的に「証拠」を残そうとする方もいらっしゃいます。
・「2人の記念だから」と2ショットを撮りたがる
・スマホのパスコードを頻繁に変えていない
・プレゼントにおそろいの変な携帯ストラップ等を購入しようとする
旅行先で「箱根キティ」のストラップを揃いで買おうとしていた顧客は、さすがに止めましたが、そんなファンシーなものを奥様に見られてはひとたまりもありません。そんなときの決め台詞はこうです。
「私、写真よりも、今ここの思い出を目に焼き付けたいの」「お土産もいらない。今ここの思い出を(以下同文)」
どうしても2ショットを撮影したがる男性、愛人契約のリスクヘッジをご理解いただけない男性には、奥さんとの離婚をご提案させて頂くこともございます。
リスクを犯してまで私との「思い出」を残そうとする顧客は、それだけ私との取引に「ハマって」いるということですから、大抵が奥さんと上手く行っておられません。「バレたら離婚するから」と、開き直っているタイプが7割くらいでしょうか。
よって、私が提案した結果、みずから納得して離婚へと進むケースもありますね。バレずにビクビク愛人関係を続けるよりも、離婚して私との取引を選ぶわけです。
それはそれで、男性の合理的な選択です。合理的な選択の結果、奥様にかけていたお金を私にかけていただけるようになるわけですから、私としてはありがたい側面もあります。このやり方で取引額を倍に増やした知人を私は知っています。
リスクヘッジができない男性は「離婚」へと導き、ご家族にかけていた費用を削減して頂く。その代わりに、愛人との取引額を大幅にアップさせる。こうした戦略は上級編ですが、ないとも限りません。
こんなことを日々考えておりますから、奥様方にとっては敵以外の何物でもないでしょう。日頃から、道に外れたことをしているとの自覚のもと、私は愛人業を営んでいるのです。
<文・東條才子>