12月のカタルーニャ州議会選挙、独立支持派と反対派が拮抗。カタルーニャ及びスペインの情勢不安は続く
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そして、スペイン国内では、この責任が誰にあるのか応酬が始まっている。
カタルーニャ独立支持派はスペイン政府が155条を発動してカタルーニャの政治を不安なものにしたのが敗北の要因だとスペイン政府を批判すれば、スペインの与党国民党は独立支持派が独立を煽る活動をして政情不安を招いたことが要因だと答えている。
引き続きバルセロナ、そしてスペイン国内に蔓延している政情不安だが、いまだ終わりは見えない。予定されている12月21日の州議会選挙の後も続きそうな雰囲気である。
11月19日に『El Periodico de Cataluna』が選挙予測を報じた。各政党が候補者リストを明確にした時点で、世論調査研究所(GESOP)が800人を対象に調査した結果である。それによると、独立支持派の3政党が過半数を満たすか否か分別のつかない状態にあると予測されている。一方、独立反対派の方でも4政党が仮に独立支持派の議席数を上回っても、政権を担うだけの政党間でまとまりが見られるか疑問の余地が高いとされている。
2015年の選挙では独立支持派は左派共和党(ERC)とカタラン・ヨーロッパ民主党(PDeCAT)が統一候補者リストで選挙に臨み62議席を獲得した。それに過激左派の(CUP)の10議席が加算されて過半数を充分に満たす72議席を獲得していた。州議会の定員は135議席で過半数は68議席。
しかし、今回の選挙ではジュンケラス前副州知事が党首を務めるERCがプッチェモン前州知事のPDeCATと統一候補を立てての選挙を拒否した。理由は単独で最大議席数37~38議席を獲得できると見ているからである。それでも、単独で政権につくには議席数において不足するのは明白になっている。しかし、議席数でトップを維持してより影響力を持ちたいというのが狙いである。
PDeCATは党内で独立を強く主張するグループとそうでないグループとで意見が分かれており、しかもこれまでカタルーニャ政治の実権を長く握って来たことへのツケを払わされるようで議席が減ると見られている。それをくい止める為にもERCと統一候補者リストで臨みたいとしていた。予測されている獲得議席数は24~25議席。
一方、CUPは過激な姿勢に賛同できない市民も現れており、議席数が減って10議席から7-8議席になると予測されている。
即ち、この3政党の議席数は68議席から71議席の枠内で収まると予測されている。もちろん、これは飽くまで予測だ。枠内から下方修正された議席数になる可能性はあるが、枠内を上限を超えて議席数がさらに増えるという可能性はない。繰り返しになるが、過半数は68議席とである。
英国のBrexitに伴い、「欧州医薬品庁(EMA)」の本部が英国を離れることになっており、それに代わる場所が11月20日、アムステルダムに決定した。
実はこれ、当初はバルセロナが候補地として最も有力とされていたのだ。しかし、今年後半からのカタルーニャの独立問題が影響して同地は将来的に不安と評価されたようで、第一次予選の段階で候補地から外されたのであった……。
仮に、EMAの本部になれば、EUから900人が勤務することになり、予算は3億2200万ユーロ(386億円)。毎年4万人から5万人の訪問は確実となり、42000人の間接雇用そしてカタルーニャGDPの7%の貢献に繋がるとされていた。
その上、バルセロナはスペインの医薬業界で45%の生産を占めており、今回EMA本部に選ばれなかったことに非常に残念がっている。(参照:「独立支持派内での勢力争い
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