ゴミのようにCDを量産するアイドル産業よ、ユニクロを見習いたまえ!

音源なんて、iTunesカードで十分

 この「握手券終わったあとのCDゴミ問題」、あまりに切ないので、対策を考えてみた。 (1)CDではなくカードにする。  握手券を付けるのが、CDだからゴミになるのだ。あんな四角いプラスチックや円盤ではなく、パソコンやスマホの中に入っているICチップで十分ではないか。わずか4曲ほどの音源を収録するのに、円盤みたいなメディアはもういらない。  そう、音源と握手券のセットは、コンビニで売っているGoogle Playギフトカードや、AppleのiTunesカードみたいなメディアにすればよい。テレカ(って今の若いコは知らないか)ほどの大きさのカードに、推しメンの顔がプリントされているイメージだ。  想像してみたが、デザイン的にも工夫の余地があって良いではないか。推しメンのカードを買えば、自動的に投票ということにすれば、少なくとも山中で目立つほどの大量廃棄物は出ないし、ファンが処分に困ることもない。 (2)CDをリサイクルして、次のCDを作る  ユニクロやジーユーを展開するファーストリテイリングは、アジアの安い人件費で大量生産した衣類を大量に売っている。「ゴミになりかねない」「ペラペラの服」みたいな批判をされることもあるが、実はその大量生産服をしっかりと「リサイクル」してるのであ~る!  ファーストリテイリングによると、「『世界を良い方向に変えていく』というサステナビリティステートメント」のもと、「販売した全商品を対象に、リサイクル活動を続けて」いるという。ユニクロの古着を店頭に持っていくと、ほぼ無条件で回収してくれるのだ。  当初は、工業用繊維などの「材料」としてのリサイクルを考えていたらしいが、現在は貧しい地域へ古着として届けられている。私も店頭へ持っていったことがあるが、なかなか良いボランティア気分を味わえるぞ。  これを見習い、アイドルのCDも、事務所へ送付してどこかの工場でリサイクルする仕組みにしてはどうか。プラスチックを溶かして、また新しいCDを作るのだ。自分が買って投票券を抜いたCDが、総選挙の結果が反映された次の新曲に変わるのである。  いや~、ロマンがあっていいじゃないか。え、コストがかかるからダメ? そんなこと言わずに、音楽業界はそろそろ本腰を入れて「リサイクル活動」に精を出すべきだと思うんだけどな~。 <文・北条かや> 【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。公式ブログは「コスプレで女やってますけど
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