トランプ政権と対立するメキシコに近づくロシアの影
現在、世界29カ国でMig-29は使用されているという。Mig-35は勿論、それを上回った性能を持っている戦闘機だ。MiG社のジェネラル・マネジャーイリア・タラセンコがフォーブス・メキシコ誌からの質問に答えて、経済的に他国のライバル機と比べ20%安価であると指摘している。
また、戦闘機として、中国JF-17、米国F-16、そしてフランスラファールと、どれも効率性及び価格においてMig-35よりも劣っているとも語っている。また同氏はメキシコの航空機の85%は米国資本と関係し、5%から7%がヨーロッパ資本で、残りはメキシコのそれであると述べた上で、MiG社は世界のトップに位置しており、顧客への長期にわたっての協力体制にあり、製品そのものを提供する以外に、自動性能システム、優れた操縦訓練、アフターサービスなどを総括したプログラムを提供していることを挙げている。(参照:「Forbes」)
ロシアの狙いは、ヘリコプターの現地生産から始まって、徐々にメキシコ政府と軍部にロシアの戦闘機の購入を説得させて行こうとしているようである。米トランプ大統領の登場で、メキシコはこれまで輸出の85%を担っていた米国への依存から離れて行く姿勢を徐々に強めている。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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