松坂屋上野店南館が「パルコヤ」に!老舗百貨店の華麗な転身、その狙いは?
松坂屋上野店は1768年に「いとう松坂屋」として開業。現在の本館は1929年に建設されたもので、1957年に旧南館が増築されたが、南館は2014年3月に閉鎖され、建替え工事が進められていた。この南館には屋上遊園地があり、都内では数少ない屋上遊園地の生き残りとして有名であったが、南館の閉館とともに遊園地も閉園、過去帳入りしている。 松坂屋上野店は開業以来一貫して固定客の多い「高級店」であるが、それに対して松坂屋の北東側にある地域を代表する商店街「アメ横」の周辺は庶民的な街。さらに、アメ横よりも東側の御徒町は宝石問屋街とオフィス街で、地域の特性は大きく異なっており、エリアの回遊性が高かったとは言い難い。 それに加えて、上野・御徒町地域では、客層の高齢化と広域集客力の低さも問題となっていた。 松坂屋上野店南館の建て替えが検討されはじめた2000年代に国土交通省が発行した資料を見てみると、「上野・アメ横地区」は隣接する「秋葉原電気街」よりも来街者の年齢層が高い上に、その多くは台東区やその周辺からで、広域集客が実現できていなかったことも分かる。 当時、上野駅近くで若者が最も多く集まる店舗といえば丸井(上野マルイ)であったが、上野駅の真向いにあるために駅前よりも奥へと足を伸ばす要素にはなっておらず、また、当時からアメ横には外国人の姿も多かったが、その多くは観光客ではなく「安い食材を買い求める近隣在住の外国人」であった。さらに、現在は外国人観光客に大人気となっている御徒町駅近くの大型ディスカウントショップ「多慶屋」でさえ、数年前までは外国人観光客の姿はそれほど多くなく、おもに「地域の高齢者の買い物の場」となっていた。 そこで、松坂屋上野店が南館の刷新に際して取り組んだのが、「客層の若返り」と「広域集客できる売場づくりとテナントの導入」、そして「地域との連携の強化」だった。「老舗だからこそ」地域の強みを生かした大改革!
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