北朝鮮は大型イベントを次々と中止する一方で、国連制裁に抵触しないスポーツイベントを増やして外貨獲得を試みている。
他方で、「今後もイベント自粛傾向は続くので、新年を祝う恒例の花火大会や元日の屋外ダンスパーティー、新春コンサートなどのイベントは中止になる可能性が高く、昨年始めたばかりの平壌氷祭りも今年の開催は未定」 と北朝鮮から旅行代理店へこんな通達を出し、それでも「そんな状況でもよければ我が国は日本人や外国人の訪朝を歓迎する」と後ろ向きなのか前向きなのか分らない態度を示している。
建設が本格再開されたとの話もある330mの平壌・柳京ホテル(2017年訪朝者提供)
10月末に訪朝した中国朝鮮族の旅行関係者は、「平壌で中国人はあまり見かけませんでした。もっとも中国人は寒い時期に旅行しないので元々この時期は少ないと思いますが、昨年よりも減ったと感じます。平壌は国連制裁の影響は特に感じられず、普段と変わらない生活を送っているようで、むしろ石炭の輸出ができなくなった分を国内消費へ回しているため電力事情は例年になくよく、オンドルなどの暖房も今年は暖かいのではと現地関係者が話していました」
年末年始の大型イベントが中止になるとしたら寂しいカウントダウンになるのかと思ってしまうが、これまでの北朝鮮の傾向から、自分たちの正当性をアピールし制裁で苦しくも普通の生活を送っていることを国外へ示すために例年では許可しなかった場所を見せたり、公開してくることも十分に考えられる。
果たして、年末にかけてどのような状況になってくるか……。
<取材・文/中野鷹(TwitterID=
@you_nakano2017)>