インスタ映えで採用される「インフルエンサー枠」就活生に、ライター・北条かやから熱い“声援”

インフルエンサー神輿はコスパ最高の宣伝手段である

 もう皆さんお分かりのように、企業が重視しているのは学生の「キラキラ度合い」である。10年前なら「リア充爆発しろ」と言われていた若者が4年ほど前に「キラキラ女子」へと進化し、さらにここ2年で「インフルエンサー」と名を変えつつ、連綿と食物連鎖の上層に君臨し続けるさまを、企業が後追いしているだけなのだ。  な~んだ。食物連鎖のてっぺんから程遠い私からすれば、ジュラ紀と白亜紀の違いなぞどうでもよい。頂点の皆さんは眩しくて見えないし、向こうだって私のような自意識婆のことなど見ちゃいないだろう(うわぁ、卑屈)。  とはいえ、かの企業はけっこうヤリ手である。SNSでの「いいね!」欲しさに「インスタ映え」にむらがる若者を嘲笑する空気が広がる中、あえて「インフルエンサー最高~~~!!」と持ち上げれば、色んな意味で目立つからだ。  なんといっても、日経新聞さまが取り上げてくれる(参照:日経新聞「『インフルエンサー』なら採用優遇 ファッション各社」2017年10月13日)。Yahoo!ニュースにも載ったのではないか。まとめサイトにも転載されて、毎朝多くの人が自社の活動に触れるわけだ。  こんなに効率的な企業PRはない。「インフルエンサー採用」を行っている企業は、いずれも新興企業(ってどこまでがそういえるのかはさておき)。有名企業に憧れる学生に自社を知ってもらうには、知恵を絞らなくてはいけないだろう。  だったら、リクナビやマイナビに多額の広告費を投入するより、採用活動をネットで話題にしてもらうほうが効果的だ。テレビCMに何千万円もかけるより、「インフルエンサー採用します」と言ったほうが注目される時代である。  メディア業界の末席を汚す私も、つい「面白い!」と記事にしてしまった。うっかりPRの片棒をかつぐことになってしまい、ちょっと恥ずかしい。とりあえず先輩から就活生へのアドバイスは、そのキラキラがいつか黒歴史にならないよう、発信内容には気をつけてね!ということくらいである。無理せず頑張れ、インフルエンサー。 <文・北条かや> 【北条かや】石川県出身。同志社大学社会学部卒業、京都大学大学院文学部研究科修士課程修了。自らのキャバクラ勤務経験をもとにした初著書『キャバ嬢の社会学』(星海社新書)で注目される。以後、執筆活動からTOKYO MX『モーニングCROSS』などのメディア出演まで、幅広く活躍。著書は『整形した女は幸せになっているのか』(星海社新書)、『本当は結婚したくないのだ症候群』(青春出版社)、『こじらせ女子の日常』(宝島社)。公式ブログは「コスプレで女やってますけど
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