バイオは株価低迷の時期が狙い目。目先の赤字にとらわれるな

10倍株を意味する「テンバガー」。株式投資に興味のある人なら夢見たことはおそらく一度や二度ではないはずだ。今、最もテンバガーに近い銘柄は何なのか。精鋭たちが今年の夏に逃さず仕込んでおきたい“原石銘柄”を惜しむことなく伝授する

兜町カタリスト・櫻井英明氏が推奨

櫻井英明氏

櫻井英明氏

 なんと言っても、これから10倍になる銘柄で今注目したいのは、バイオ銘柄でしょう!」と声高々に話すのは、ストックウェザー『兜町カタリスト』編集長の櫻井英明氏だ。  とはいえバイオ銘柄は乱高下しがちな印象が強い。かつて手を出して、大きな含み損を抱えてしまった人も多いのでは……。 「そもそもマーケット側の認識が誤っていますよ。バイオベンチャーというのはそもそも赤字が当然なんです。資金調達をして、実験設備を整えて繰り返し実験を行い、そのうえでようやく薬や治療法ができあがる。現状、完成していない技術なんですから、短期的な赤字に一喜一憂して、株価に翻弄されていてはダメですね」(櫻井氏)  こう話す櫻井氏の推奨バイオ銘柄は、今期の期待感が高いものばかり。
アンジェスMG

アンジェスMGのHGF遺伝子治療の図。同社ホームページより

「例えばアンジェスMGなどがその筆頭ですね。遺伝子治療薬による血管の再生など細胞治療を行っています。現在の株価は高値の10分の1近くまで落ち込んでいますが、今期は期待感があります。薬が完成すれば、株価は現在の値から10倍どころではない。あとは、緑内障治療のデ・ウエスタン・セラピテクス研究所でしょうか。ここは“フェーズ III”と呼ばれる第III相試験がもうじき終わりそう。創薬は3段階の治験を行ってから実際に発売されます。つまり、まもなく薬が完成し実際に販売することが可能になりつつある段階なんです。今までは収益的に赤字だったのですが、今後は莫大な利益を生み出す可能性が高まったというわけです。先日ストップ高を付けましたし、大きく上昇する展開が整いつつあるのもポイントですね」(同)  櫻井氏のオススメは、バイオ銘柄ばかりではない。

隠れたスマホ関連や東京五輪銘柄を狙い撃ち!

「あとは萩原工業やワイヤレスゲートにも期待をしています。萩原工業はお花見で使うようなブルーシートや人工芝のトップメーカーですが、スマートフォンに使うフィルムやリチウムイオン電池に使うセパレーターなども作っている。だから、実は隠れたスマホ関連銘柄なんです。スマホの普及率はかなり上がっていますし、今年後半にはiPhone6の発売も予定されています。スマホの買い替え需要で大きく業績を伸ばすと踏んでいます。ワイヤレスゲートは公衆無線WiーFiで首位になっている会社。社長はドコモ出身なのですが、他社のWiーFiを組み合わせて商品化して提供しているんです。ワイヤレスゲートの社員はたった11人しかいないのに、売り上げは80億円を超えている超高収益体質の会社。 ’20年の東京オリンピック招致決定で、外国人に向けた都内のWi-Fi整備をしなければという話が上がっており、注目が集まっている。今後も、長期的に利用者が増えそうな状況なので、期待が持てますね」  家宝は寝て待て。株価10倍を狙うなら、目先の株価に一喜一憂せずに、ここぞという時に仕込んだら、あとはほったらかしが一番かも。 【アンジェスMG】 609円/100株/最低購入金額6万900円 大阪大学医学部の森下竜一氏が創業した医療ベンチャー。遺伝子治療薬技術開発や難病治療薬も販売している。HGF(ヘパトサイトグロースファクター)遺伝子治療薬の「コラテジェン」はHGFの遺伝子を投与することで、血管が新しく作られる"血管新生"を目指す。血管が詰まり血流が悪くなっている虚血性疾患に対して、これまでにない作用を有する治療薬になる可能性を秘めている
アンジェスMG

アンジェスMG

【デ・ウエスタン・セラピテクス研究所】 1499円/100株/最低購入金額14万9900円 三重大学発の創薬ベンチャー。プロテインキナーゼ阻害剤開発技術を核に抗血小板剤候補等を開発。緑内障の新薬が治験の“フェーズIII”に入っており、期待感から買われている。試験が終了し、製造販売承認申請を行って販売の許可が得られれば収益も改善し、高利益体質が見込まれる。製造販売承認申請は60~90日程度で承認される。年内から来年にかけての動きに期待
デ・ウエスタン・セラピテクス研究所

デ・ウエスタン・セラピテクス研究所

【萩原工業】 1565円/100株/最低購入金額15万6500円 ポリエチレンやポリプロピレンを主原料とした合成樹脂繊維のフラットヤーンを用いた関連製品の製造と販売を行う。またフラットヤーン技術を応用したスリッター等、産業機械の製造も。先月5月21日に東証2部から1部に鞍替えしたばかり。この上場で流動性が上がったのもポイントに。「スマホ部品のテープを作っていますから、今後のスマホの買い替え需要などに反応すると思われます」(櫻井氏)
萩原工業

萩原工業

【ワイヤレスゲート】 3640円/100株/最低購入金額36万4000円 公衆無線Wi-Fiで首位。家電量販店と提携し販売を行っているので社員数が少なく、か なりの高収益体質となっている。またドコモと提携してLTEのサービスも行っている。目標株価は上場来高値の5000円台。昨年株価は、いったん2000円台にまで落ち込んだが、直近では3000円台半ばまで戻しており、上昇トレンドに入ったとみられる。 ’20年東京五輪に向けて上値余地は十分
ワイヤレスゲート

ワイヤレスゲート

【櫻井英明氏】 兜町カタリスト。ストックウェザー『兜町カタリスト』編集長。幅広い情報チャネルとマーケット分析、最新経済動向を株式市場の観点から分析した独特の未来予測に定評。個人投資家からも人気 ※株価、最低購入資金は6月13日終値。チャートは’13年12月14日~’14年6月13日 ― この夏勝負!の(秘)10倍株 厳選22銘柄【7】 ―
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