投票率が低いのは日本だけ? 世界の選挙事情

総務省も川栄李奈さんを選挙啓発イメージキャラクターとして起用したが……(YouTube総務省動画チャンネルより)

 先日行われた衆院選。総務省の発表によれば全年代平均の投票率は53.68%だった。昨年から18歳以上に選挙権が引き下げられたが、今回18歳の投票率は約51.2%とまずまずだったものの、19歳に限定すればなんと約42.3%! ただでさえ投票率が低いと言われがちな国政選挙だが、まだまだ若者の投票行動を喚起するに至っていないという結果となった。

ドイツやフランス、前回大統領選の韓国でも投票率7割超

 では、低い低いと言われる日本の投票率だが、海外ではどうなのか? 奇しくも国政ラッシュとなった欧州各国の投票率を見てみよう。 ●ドイツ連邦議会選挙 76.2% (9月)フランス大統領選 74.6% (5月・決選投票)イギリス総選挙 68.7% (6月)  アンゲラ・メルケル首相率いるドイツキリスト教民主同盟が勝利したドイツ、39歳という若さが話題になったエマニュエル・マクロンが勝利したフランス、昨年の「BREXIT」騒動を受けてテリーザ・メイ率いる保守党が勝利したイギリス……。たしかにいずれの国も投票率は高かった。  これが“意識の高い”イメージの北欧になるとさらに投票率は高く、‘14年に行われたスウェーデンの国政選挙ではなんと85.8%もの国民が選挙に参加している。  また、投票率が高いのは欧州だけかというと決してそうではない。今年5月にお隣・韓国で行われた大統領選でも投票率は77.2%。文在寅率いる民主党が勝利したが、’14年に行われたインドの総選挙でも投票率は66.4%と高い。  もちろん、それぞれの選挙でその時々の社会情勢なども影響しているので一概には言えないものの、やはり日本の投票率は低いのは確かだ。

先進国の中で日本同様低いのは……

 そんななか、主要先進国で日本と同じく投票率が低いのがアメリカだ。昨年行われた大統領選挙での投票率は推定で約54.7%。民主党支持層が投票に訪れなかったことが、トランプ大統領就任の一因として挙げられた。  ちなみにアメリカの選挙システムは州や管轄区によって投票機材もバラバラ。マークシートを使ったものから、タッチスクリーン式までまちまちなのだ。開票中に大幅な誤差が出る背景にはそんな理由もあったのだ。世界中から注目されるだけに投票率が高く、システムも最先端かと思いきや、実際は真逆なのである。  一方、アメリカの隣国、カナダでは‘15年に行われたカナダ連邦議会選挙の投票率は68.5%。投票率が高いこととの関連性は一概には言えないが、当時43歳という若さで、LGBTへの理解なども深いジャスティン・トルドー率いる自由党が勝利している。  投票率の低さという点でも“日米同盟”は強固なのであった……。 <取材・文/HBO編集部 画像/YouTube総務省動画チャンネル
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