2013年から5年間、ノーベル文学賞発表前に特徴的な動きをしていた銘柄とは?

「Conversations with Kazuo Ishiguro」 Brian W. Shaffer Cynthia F. Wong University Press of Mississippi

 2017年ノーベル文学賞は、イギリス人作家のカズオ・イシグロ氏に決定した。  ノーベル文学賞といえば、ここ数年は村上春樹氏受賞への期待が国内外でも高くなっているが、それもあってか、2013年から今年まで5年連続で、ノーベル文学賞の発表の日に向けて、株価が特徴的な動きを見せている銘柄がある。  それは、文教堂グループホールディングス(以下文教堂HD)である。

文教堂HDの決算

 文教堂HDは、書店チェーン大手で、関東を中心に事業を展開している。2016年10月、日本出版販売が筆頭株主になり、大日本印刷とも提携している。10月13日、文教堂グループホールディングスが発表した2017年8月期(2016年9月~2017年8月)の連結経常損益は、1億2800万円の黒字(前期は7200万円の赤字)となった。また、直近3か月の実績である6-8月期の連結経常損益は9200万円の黒字(前年同期は1億4300万円の赤字)となり、売上営業損益率は前年同期の-2.0%から1.0%に改善した。さらに、業績予想によると、2018年8月期の連結経常損益は6.3%減益の1億2000万円となる見通しである。(参照:平成29年8月期 決算短信〔日本基準〕(連結))  決算発表に先立つ12日には、同社は業績予想の下方修正を行った。修正理由として、「スマートフォンなどの携帯端末で閲覧 できる無料電子版の配信などの影響により、主にコミックの売上が低迷し、若干計画を下回り」、「店舗運営の効率化 による経費削減に努めたものの、売上高の減少により売上総利益が約 21 百万円減少したことによる」としている。(参照:業績予想の修正に関するお知らせ)  10月13日の終値は405円、PER 239.83倍と非常に高い数字となっている。株価は、業績と比較して、高いと言える。
次のページ
5年間共通する株価の傾向
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会